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6月2日、規制改革実施計画が閣議決定されました。先月の答申の内容がそのまま本決まりとなっていますので、巷で騒がれている年間提供日数上限なんかはどうやらそのまま新民泊制度として定着してしまいそうです。

制度の大きな理解は、民泊全面解禁!?規制改革会議での新民泊制度早わかりで解説してますので参考にしてください。

で、今日はもうちょっとより細かく、わたくしなりの主観を交えて解説できたらと思ってます。では、いきましょう。

そもそも論

新民泊制度は、一定の要件下で行う場合に限って旅館業法の外にあります。一定の要件さえ守れば、新民泊制度には旅館業法の網はかからないと思っていただければ良いと思います。

その一定の要件がかなりやっかいなのですが、ここでは割愛します。気になる方は民泊全面解禁!?規制改革会議での新民泊制度早わかりを読んできてください。

1.家主居住型

家主居住型についてです。要件をみてみましょう。

要件

  1.  個人の生活の本拠である(原則として住民票があ る)住宅であること
  2. 提供日に住宅提供者も泊まっていること
  3. 年間提供日数などが「一定の要件」を満たすこ と。「一定の要件」としては、年間提供日数上限など が考えられるが、既存の「ホテル・旅館」とは異なる 「住宅」として扱い得るようなものとすべきであり、年間提供日数上限による制限を設けることを基本とし て、半年未満(180日以下)の範囲内で適切な日数 を設定する。なお、その際、諸外国の例も参考としつつ、既存のホテル・旅館との競争条件にも留意す る

1では、生活の本拠性を求めています。ホストが生活の本拠として使っている部屋に宿泊させてください、ということです。いわゆるホームステイですね。住民票がその住所になっていなければいけません。

2では、提供日に家主が家にいることを求めています。ゲストがいる間は自分の家にいてくださいということです。住民票だけその住所に置いておいて、自分は違う場所に住んでいるのはもちろんNGです。

3.が「一定の要件」と言われる部分です。一定の要件候補は色々なものがあると思いますが、明示的に挙げてきているのが話題の年間提供日数制限なので、ここはそのまま新制度に組み込まれるでしょう。180日以下ですから、150日や90日ということも十分ありえますね。

次に枠組みについてです。

枠組み

1.届出制とし、以下の事項を義務化する。

①利用者名簿の作成・保存

②衛生管理措置(一般的な衛生水準の維持・確保)

③外部不経済への対応措置(利用者に対する注意事項(騒音、ゴミ処理等を含む)の説明、民泊を行っ ている旨の玄関への表示、苦情等への対応など)

④(集合住宅(区分所有建物)の場合)管理規約違反 の不存在の確認

⑤(住宅提供者が所有者でなく賃借人の場合)賃貸借契約(又貸しを認めない旨の条項を含む)違反の不存在の確認

⑥行政当局(保健衛生、警察、税務)への情報提供

2.住宅として、住居専用地域でも民泊実施可能とす る。地域の実情に応じて条例等により実施できないこととすることも可能とする。

3.宿泊拒否制限規定は設けない。

1では、新民泊制度の申請形態は届出制にするよ、言っています。届出制は許可や登録より手続きが簡易なので、ホストが自分で申請することも十分可能です。

①は利用者名簿の作成・保存②は衛生管理措置についてです。利用者名簿をしっかりと作って、パスポートのコピーをとって保存しておけばOKでしょう。

③が意外とめんどうなのかなという感じです。特に「民泊を行っている旨の玄関への表示」がやっかいですね。戸建ならまだしも共同住宅でこれを今やったら反対運動がおきそうな気がします。

苦情対応等はどうでしょうか。ホストが直接応じないといけないのでしょうか。代行会社が対応しても良いのでしょうか。というか、この義務の部分はそもそもホスト自ら行わないといけないのでしょうか。

④は管理規約違反の不存在の確認について。民泊とマンション管理規約については、政府の立場も微妙ですが、管理規約違反がなければ新民泊はOKというのがここでの内容です。管理規約違反について、民泊を積極的に容認する文言がなければ違反なのか、標準管理規約のままだとどういう判断になるのかは、まだはっきりした政府見解は出されていないと思いますので、そこもはっきりしてくれないと運用が微妙になってしまう可能性がありますね。

⑤は賃貸借契約違反がないかどうかという点です。新民泊制度が転貸借にあたるのかどうかは微妙な部分ですが、それ以前に居住用に限定されている物件を民泊に使用するのは、ほとんどの場合賃貸借契約違反でしょうからオーナーの許可は必要になってくると考えていたほうがいいと思います。

⑥は、何かトラブルがあった場合や定期的な報告書の提出、所得の申告等をしっかりとやってください、ということでしょう。

2についてです。

これは新民泊ならではの制度と言えるんじゃないでしょうか。通常の民泊は建築基準法的にはホテル・旅館ですから用途地域の制限は受けました。当然住居専用地域ではできません。しかし新民泊は、ホテルや旅館ではなくあくまで住宅であると。ならば、用途地域の制限に縛られる必要はないじゃん、という理屈です。

ただ、後段の「地域の実情に応じて条例等により実施できない こととすることも可能とする。」は嫌な予感しかしませんね。そうでしょうね、これを活用する自治体は当然出てくるでしょう。ま、しょうがないですね、そうなったら。それは、それです。

3の宿泊拒否制限は、家主居住型では当然でしょう。宿泊拒否できなかったら、おそろしすぎて誰もやりません。

家主不在型

家主不在型の要件です。

要件

  1. 個人の生活の本拠でない、又は個人の生活の本拠であっても提供日に住宅提供者が泊まっていな い住宅であること。(法人所有のものも含む。)
  2. 年間提供日数などが「一定の要件」を満たすこ と。「一定の要件」としては、年間提供日数上限など が考えられるが、既存の「ホテル・旅館」とは異なる 「住宅」として扱い得るようなものとすべきであり、年 間提供日数上限による制限を設けることを基本として、半年未満(180日以下)の範囲内で適切な日数 を設定する。なお、その際、諸外国の例も参考とし つつ、既存のホテル・旅館との競争条件にも留意す る。
  3. 提供する住宅において「民泊施設管理者」が存在すること。(登録された管理者に管理委託、又は住宅提供者本人が管理者として登録。)

1は、家主居住型の要件以外の場合と考えたほうが良いでしょう。その民泊施設が生活の本拠でない場合(おそらく住民票の有無で確認)又は生活の本拠でもゲストが宿泊する日に家主が家にいない場合が家主不在型と言われるタイプです。

2の一定の要件については家主居住型と同じですね。180日以下の年間提供日数上限がかかってくるでしょう。

3は民泊施設管理者の存在です。詳細は、後半で触れます。

枠組み

1.届出制とし、民泊を行っている旨及び「民泊施設管理者」の国内連絡先の玄関への表示を義務化する。

2.住宅として、住居専用地域でも民泊実施可能とす る。地域の実情に応じて条例等により実施できないこととすることも可能とする。

3.宿泊拒否制限規定は設けない。

1の届出制及び玄関先への表示の義務化も家主居住型と同じです。懸念点も同じですね。2と3も家主居住型と同じです。

家主不在型では、本人確認や近隣への対応等、運営・管理面を民泊施設管理者がごそっと引き受けるイメージですね。

では、家主不在型で登場してきた民泊施設管理者とは何でしょうか。

民泊施設管理者

新しいビジネスの臭いがプンプンするのがこの民泊施設管理者です。現に最近の民泊サービスに関する検討会での資料をみてみますとマンション管理大手の会社なんかは、既にスキームを作り民泊施設管理者の地位をガンガン狙ってきています。

民泊施設管理者とは、家主不在型民泊において名簿の作成や運営管理、外部との窓口になる者のことです。現状では正確な定義は不明ですが、こんな感じの定義で大きな間違いはないと思います。

民泊施設管理者になる為の要件は現状では不明です。宅建業者限定という方向になるのかな、とは思いますが、宅建業者でなければならないなんて情報はどこにも出てません。手数料どうこうなんてのも、もちろんまだ決まってないです。

枠組み

1.登録制とし、以下の事項を義務化する。

①利用者名簿の作成・保存

②衛生管理措置(一般的な衛生水準の維持・確保)

③外部不経済への対応措置(利用者に対する注意 事項(騒音、ゴミ処理等を含む)の説明、苦情等への対応など)

④(集合住宅(区分所有建物)の場合)管理規約違反 の不存在の確認

⑤(住宅提供者が所有者でなく賃借人の場合)賃貸借契約(又貸しを認めない旨の条項を含む)違反の 不存在の確認

⑥行政当局(保健衛生、警察、税務)への情報提供

2.法令違反行為を行った場合の業務停止、登録取消を可能とするとともに、不正行為への罰則を設け る。

民泊施設管理者になるには、登録が必要です。おそらく登録は自治体へという形になるでしょう。管理者としての義務は家主居住型のホストの義務と同じです。登録取消、罰則規定は事業者である以上はついてまわる部分ですね。

この制度が動き出せば、今民泊代行業をやっているほとんどの会社は民泊施設管理者としての登録を目指すでしょう。管理者の要件が注目されますね。

仲介事業者

最後は民泊仲介業者です。民泊をあっせんする、ホストとゲストをつなげる役割が仲介事業者の役割ですね。airbnbなんかは仲介業者という扱いになります。

airbnb社は自分達は仲介業者ではなくプラットフォーマーであると主張してますが、日本での新民泊制度では仲介業者という位置づけになると思います。

枠組み

1.登録制とし、以下の事項を義務化する。

①消費者の取引の安全を図る観点による取引条件の説明

②当該物件提供が民泊であることをホームページ上に表示

③行政当局(保健衛生、警察、税務)への情報提供

2.届出がない民泊、年間提供日数上限など「一定の要件」を超えた民泊を取り扱うことは禁止

3.法令違反行為を行った場合の業務停止、登録取消を可能とするとともに、不正行為への罰則を設け る

1は登録制ということ。旅行業としての登録なのか、新民泊制度の民泊仲介としての登録なのかは不明です。①~③はそのままです。

2は、けっこう大事かなと思います。届出がない新民泊や、一定の要件をオーバーした民泊運営を発見したら、そこのサイトや民泊仲介会社ではその物件を取り扱うことは禁止されます。この規制に反した場合は自分の民泊仲介としての登録が危うくなりますから、一定の要件をオーバーした民泊を放置するわけにはいかないというわけです。

ということは、政府はこの部分で一定の要件(年間180日規制)の実効性を担保しようというわけです。役所による立ち入り検査でもなく、定期的な報告書の提出でもなく、ゲストを募集するサイト側で監視をさせるというスキームです。現状では、これが一番有効な方法なのかなと思います。

新民泊制度は民泊仲介に対しても、しっかりと規制の網をかけていこうという姿勢が伺えますね。

以上、賛否両論あります、新民泊制度に対しての主観的解説でした。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。