Airbnbの適法性は置いといて
Airbnbの適法性で検索されてこのブログに来ていただいている方が非常に多いですが、現状では旅館業法に反していると言われても文句は言えない状態だと思います。反しているか反していないのかは最終的には司法が決めるので、ここではそれにはもう言及しません。
反している可能性がある事を前提に、国家戦略特区内での旅館業法の適用除外についての動きを現状出ている情報を頼りに探りましょう。
特区とはどこ?
まずは基本中の基本です。特区とはどこですか?という事です。そもそも特区内でなければ旅館業法の除外もなにもないですからね。
国家戦略特別区域法第2条1項にはこうあります。
この法律において「国家戦略特別区域」とは、当該区域において、高度な技術に関する研究開発若 の産業の国際競争力の強化に資する事業又は国際的な経済活動に関連する居住者、来訪者若しくは滞在者を増加させるための市街地の整備に関する事業その他の国際的な経済活動の拠点の形成に資する事業を実施することにより我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展に相当程度寄与することが見込まれる区域として政令で定める区域をいう。
色々長いですが要点は太字の部分です。
政令で定める区域を「特区」といいます。これが要約です。
政令とは内閣が作る法規ですね。
とするならば、「特区」とは内閣が作った法規で定めた地域の事です。「特区」かどうかは内閣が決定するぞ、という事ですね。
では、現行の政令を見てみましょう。
「国家戦略特別区域を定める政令」というのがあります。そこにはこうあります。便宜上1号のみ触れます。
国家戦略特別区域法第二条第一項の政令で定める区域は、次に掲げる区域とする
一、千葉県成田市、東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、大田区及び渋谷区並びに神奈川県の区域
千葉は成田市のみ、東京は23区のうち上の9区のみ、神奈川県は全域ですね。
これが関東地域でのいわゆる「特区」です。この中で規制緩和をしていこうという事ですね。なので旅館業法の適用除外もこの特区内でのお話しになります。
以上をまとめると、千葉県成田市、東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、大田区及び渋谷区並びに神奈川県の区域で旅館業法での「旅館業」に該当する商売をしている人は除外申請をできる可能性があります。
という事ですね。
具体的な要件等もあるのであくまで除外申請の可能性という表現に留めておきます。
要件の話しが出ましたのでちょっと触れますと、除外要件も法律・省令レベルでは既に決まっています。
法律としては国家戦略特別区域法第13条がそれにあたりますが、この法律はより具体的な要件を省令に投げています。それをうけて厚生労働省令が施行規則として除外要件を定めています。
旅館業法除外申請が本格的に始まればこの要件も特区ごとの条例等でより詳細に決定されるはずです。
冬木 洋二朗
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