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【民泊・Airbnb】特区での民泊が適法になる特定認定申請とはの続きです。

民泊許可(特定認定申請)手続きの要件を詳しくみてみましょう。具体的な要件は、国家戦略特別区域法施行令12条に記載されています。

国家戦略特別区域法施行令12条

法第13条第1項の政令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとする。

①当該事業の用に供する施設であって賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるもの(以 下この条において単に「施設」という。)の所在地が国家戦略特別区域にあること。

②施設を使用させる期間が7日から10日までの範囲内において施設の所在地を管轄する都道府県(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合にあっては、当該保健所を設置する市又は特別区)の条例で定める期間以上であること。

③施設の各居室は、次のいずれにも該当するものであること。

イ、1居室の床面積は、25㎡以上であること。ただし、施設の所在地を管轄する都道府県知事(その所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合にあっては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)が、外国人旅客の快適な滞在に支障がないと認めた場合においては、この限りでない。

ロ、出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること。

ハ、出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること。

ニ、適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること。

ホ、台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること。

ヘ、寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること。

④施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること。

⑤施設の使用方法に関する外国語を用いた案内緊急時における外国語を用いた情報提供その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供すること。

⑥当該事業の一部が旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条第1項に規定する旅館業に該当するものであること。

一つ一つ具体的にみてましょう。

①所在地要件・契約要件

第1項は民泊施設に関する要件と民泊を行う際の契約に関する要件です。

  • 民泊施設が特区内にあること
  • 賃貸借契約及びこれに付随する契約を結ぶこと

この2つが所在地・契約要件です。

所在地要件

所在地要件については、民泊許可(特定認定申請)のそもそもの前提である民泊施設が特区内にあること、という要件がそのまま要求されています。

もっとも、この要件は民泊施設のみが特区内にあることを要求するものです。したがって運営者や申請者の所在地・住所地については特区内でなくとも問題はないと思われます。

契約要件

利用者との契約に関する要件です。施行令では利用者との契約は賃貸借契約及びこれに付随する契約と規定されています。この点、賃貸借契約が要求されていることに個人的には疑問がありますが、ここでは割愛して先に進めます。

賃貸借契約についての、実際の運用や雛形は現状(2015年12月)では公開されていません。おそらく定期借家契約のような形での運用が求められるのではないかと思っています。

料金返金禁止規定

ただ、1点だけ判明している点があります。

それは、民泊で必要となる賃貸借契約書には、料金の返金禁止規定を盛り込まなければならないという点です。

後ほど、ご説明するように特区での民泊許可(特定認定申請)ではその宿泊日数につき最低宿泊日数が決まっています。最低宿泊日数とは、その日数以上の旅行者しか泊めてはいけないとされている日数です。例えば、最低宿泊日数が6日であれば、3日のみの宿泊希望の宿泊者を泊めてはならないという事です。

この最低宿泊日数の脱法行為を禁止する為に、料金返金禁止規定があります。

例えば、6日宿泊希望の利用者がいるとします。その利用者が3日泊まった時点で以降の宿泊をキャンセルした場合、宿泊料についても3日分のみもらい、残りの3日分を返金すれば(もらわなければ)結果的には3日間のみの宿泊を認めたのと同じことになってしまいます。

これを防止する為の規定が料金返金禁止規定です。

申請時にはこの条項が契約書の中に入っているかどうかが行政による大切なチェックポイントとなりますので注意が必要です。※料金返金禁止規定という熟語は弊所独自のものですので、運用時に行政がなんと呼ぶかは不明です。

②宿泊日数要件

第2項は最低宿泊日数に関する要件です。

特区での民泊には、最大にして唯一の壁があります。それが、以下で説明する宿泊日数に関する要件です。

国家戦略特区内で民泊を行う場合、その宿泊日数には制限があります。

つまり、最低宿泊日数なるものが条例で定められ、それ以下の宿泊日数による民泊は認められません。

最低宿泊日数は7日~10日の範囲内で各自治体が条例で定めます。

この要件で注意すべきなのは施行令は「最低」宿泊日数のことしか触れていないという点です。「最低」宿泊日数は7日~10日の間で各自治体ごとに条例で定められますが、「最大」宿泊日数についての規定はありません。

つまり、7日、8日、9日、10日のどれかを各自治体が最低宿泊日数として定めるという事で、長く泊まる分には制限はされないという事です。

東京都大田区、大阪府ともに2015年12月の情報では、6泊7日で運用する予定のようです。

民泊普及に関して、この要件は一番の向かい風になると思われます。

③居室に関する要件

第3項は民泊施設の居室に関する要件です。

国家戦略特別区域法施行令12条は3項イ~への6つでその要件を定めています。

この時代にイロハニホヘトを使ってしまう行政の時代錯誤感はひとまず置いておきましょう。

民泊用の物件探しをする際なんかには、この要件に注意が必要です。

以下で、イ~トを見ていきましょう。

イ、一居室の面積は25㎡以上であること

ここでは、まず一居室の概念が問題となります。どこを含んでいれば一居室なのか、逆にどこを含んでいなければ一居室と判断されないのか等、現状では一居室の定義は不明確です。

ただ、他の要件との兼ね合いで見てみるとわかってくる点があります。

一居室とは

施行令12条3項ホを見て見ましょう。

国家戦略特別区域法施行令12条3項

ホ、台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること。

3項ホには民泊施設に備えなければならない設備が明示的に記載してあります。

施行令は民泊施設にはキッチン、フロ、トイレ、洗面所、この4つがなければならないと言っています。つまり、上記4つの設備は民泊施設には必須なわけです。

とすれば、当然この必須である4つの設備を含んだ上での面積が25㎡以上と考えるのが自然でしょう。各自治体でのヒアリングの結果でもこの4つの設備は民泊施設には必須であり、25㎡とはこの4つの設備部分を含んだ面積であるとの回答をいただいています。(2015年11月時点)※この回答は今後変更になる可能性もあります。

クローゼット部分、ベランダ部分やロフト部分などの扱いは現状では不明ですが、おそらくベランダ部分は共用部分ですので面積算定には含まないでしょう。

面積の算定について

民泊許可(特定認定申請)に関して㎡数を算定する場合にはその算定方法にも注意が必要です。居室の面積の算定に関しては、一般的には①内法算定と②壁芯算定と呼ばれる2つの算定方法が存在します。

したがって、各自治体が民泊許可(特定認定申請)の際に採用する面積の算定方法は内法なのか壁芯なのかをしっかりと事前に確認する必要があります。

内法算定と壁芯算定

内法算定とは、部屋の壁から壁までという一般的な算定方法です。登記簿の面積なんかはこの内法算定で算出されています。

壁芯算定とは、算定時に部屋の壁の厚さを含む算定方法です。壁の厚さを含む分だけ内法算定より㎡数が増えます。

壁芯算定で25㎡の場合、内法算定だと25㎡には届かなくなります。壁芯算定で民泊用の物件を用意した後に、自治体の算定方法が内法だったなんてことは避けたいですね。

ちなみに、現状(2015年12月)では東京都大田区では内法算定で25㎡を判断し、大阪府では反対に壁芯算定で25㎡を判断するとの事です。

不安な方は常に内法で考えていれば面積が増える事はあっても、減る事はないはずです。

結果的には㎡数に関しては、できれば25㎡ギリギリではなくて30㎡~ぐらいに考えていたほうが無難かもしれません。

 ロ、出入口及び窓は、鍵をかけることができるものであること

この要件はそのままですね。玄関や窓には鍵をつけましょうという事です。

ハ、出入口及び窓を除き、居室と他の居室、廊下等との境は、壁造りであること

この要件については、個人的には特殊な事例を想定したものなのかなと考えています。詳細は割愛しますが、一般的なマンションの一室や戸建住宅であればさほど問題にはならない要件のはずです。

ニ、適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること

これもそのままです。換気や採光ができるようにしてください、というものですね。一般的な建築基準を満たした物件であればさほど問題にはならないかなと考えています。

ホ、台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること

これは、一居室の面積のところで少し説明しました。

キッチン、お風呂、トイレ、洗面所の4つの設備は特区での民泊には必須な設備と理解して間違いはないでしょう。限定列挙ですからね。

ヘ、寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること

これもそのままです。そこで宿泊ができるような器具をしっかりと揃えましょうという事ですね。

以上、民泊施設の居室に関する要件でした。この要件でのポイントは民泊施設の①㎡数に関する部分と②ホの必須設備要件です。賃貸物件で民泊運用をお考えの方は物件選定の際には要注意です。

④施設の提供状態に関する要件

施設の使用の開始時に清潔な居室を提供すること。

4項の要件は施設の提供に関する要件です。清潔な状態で提供しなさいという事ですね。これも通常のレベルの清掃等がされていれば問題はないのではないでしょうか。

⑤使用方法・緊急時に関する外国語での案内、役務提供の関する要件

 

5項では、施設の使用方法や緊急連絡先等の情報を外国語で提供しなさい、と言っています。提供方法については現状では不明です。

⑥旅館業法該当要件

6項は、当該事業の一部が旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条第1項に規定する旅館業に該当するものであること、として民泊に対して旅館業法上の旅館業への該当性を要求しています。

特区法上での民泊の扱いは旅館業法の適用を除外するというものですから、そもそも民泊が旅館業に該当しなければならないのは当然の事です。

適用されていないものを除外するというのは日本語としてもおかしいですからね。

まあ、通常の民泊であれば旅館業に該当しますので格別心配はしなくても大丈夫です。

 

以上が、特区法13条の民泊許可要件を具体化した国家戦略特別区域法施行令12条の解説です。

2015年12月現在で判明している情報等を参考にまとめたものになりますので、今後の規則制定・実際の民泊許可(特定認定申請)の開始によっては内容が異なる場合がありますが、その際は適宜変更していきます。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。