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前回のAirbnb・民泊とその問題点と違法性(旅館業法に反するのか)の続きです。

現状で(2016年9月時点)、旅館業法上の許可を得ないで民泊を行う事は旅館業法に反するという点は前回けっこうじっくりと書きました。

では、適法に民泊を行うにはどうすればいいか。

そこで、登場するのが国家戦略特別区域法第13条になります。

正攻法での旅館業の許可取得無許可状態での民泊が旅館業法に反するのであれば、正攻法で旅館業法上の許可を取得すればいいじゃないか、という意見もあります。しかし、旅館業法上の許可取得はそんなに簡単なものではありません。特に、マンションの一部屋での民泊、居住用の戸建での民泊であれば取得はなかなか難しいのが実際です。

適法な民泊の可能性

国家戦略特別区域法(特区法)とは、平成25年に施行された法律です。

法律で各種の経済特区を設け、特区内で規制緩和を行い経済を活性化させようというものです。

その特区内での事業の1つに旅館業法適用除外があります。旅館業法適用除外とは、読んで字のごとく旅館業法を適用しないというものです。旅館業法が適用されるような行為でも特区内でそれを行う場合に限って、その適用を除外してあげますよ、というものです。

したがって、旅館業法上の許可以外で民泊を適法に行うには現状では特区法第13条による旅館業法適用除外を行う事が唯一の方法です。

特区法13条(旅館業法の特例)

  • 国家戦略特別区域会議が、第八条第二項第二号に規定する特定事業として
  • 国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(国家戦略特別区域において、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業(その一部が旅館業法 (昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する旅館業に該当するものに限る。)として政令で定める要件に該当する事業をいう。以下この条及び別表の一の四の項において同じ。)
  • を定めた区域計画について
  • 第八条第七項の内閣総理大臣の認定(第九条第一項の変更の認定を含む。以下この項及び第九項第二号において「内閣総理大臣認定」という。)を申請し
  • その内閣総理大臣認定を受けたときは
  • 当該内閣総理大臣認定の日以後は、
  • 当該国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、
  • その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長。以下この条において同じ。)の認定(以下この条において「特定認定」という。)
  • を受けることができる

※条文を読みやすいように分割しました。太字部分だけ読んでいただければ意味は通じるはずです。

約すなら、民泊を行う場合に旅館業法の適用除外を希望するなら、都道府県知事あてに民泊許可の申請(特定認定申請)をしてください、ということです。

そしてその民泊許可が政令上の各要件を満たしていてば、晴れて旅館業法が適用されなくなり(旅館業法適用除外)、その結果民泊はブラックでもグレーでもなく法律的にはホワイトな状態となります。※民泊許可:特区法13条に基づく旅館業法適用除外申請のことを当ブログではこう呼びます。

法律的にと付け加えたのは、現状で民泊を行うには法律的な問題と同程度でクリアしなければならない問題が山積だからです。それについては、別途解説します。

国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業民泊のことを特区法上はこう呼びます。あまり浸透しそうにない表現ですね。当ブログでは単に民泊と呼びます。

特区はどこ?

これで、特区内での民泊に限っては旅館業法の適用を除外することができます。

では、その恩恵を受ける事ができる特区とはどこの事でしょうか。これについては以前に書いた記事がありますので参考にしてください。

Airbnb【エアビーアンドビー】特区政令の改正により東京都では全域が特区になりました。

基本的にどこが特区なのかということは内閣が政令で定めます。

国家戦略特別区域を定める政令

民泊との関連で特区の主要地域を挙げますと現状では東京都及び神奈川県では全域が特区、千葉県では成田市のみ、埼玉県はなしです。大阪府及び京都府でも全域が特区ですね。

特区に関係する法律

ここで、民泊に関係する範囲で特区法関連の法律をみてみましょう。特区内での民泊許可(特定認定申請)による旅館業法適用除外は、1つの法律の効果として行われるわけではなく、様々な法律の効果として成り立っています。

それを図にしたのが以下です。

法規名 定めている事柄
国家戦略特別区域法(特区法) 旅館業法の除外申請、認定取消事由、変更届
国家戦略特別区域法施行令
国家戦略特別区域を定める政令
 民泊申請要件、特区の範囲
厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則 民泊申請の添付書類、記載事項
区域方針  特区ごとの方針
各種通知・通達 運用の指針、解釈に関する方針
各自治体条例・規則 手数料、宿泊日数、実際の民泊申請に関する詳細な規定

 この表は、表の下欄にいけばいくほど各種法律での規定の仕方がより個別的・具体的になります。

例えば、一番上の特区法では、「旅館業法を適用除外します」という事しか書いてありません。その要件だったり、手数料等は下の民泊許可要件を規定する国家戦略特別区域法施行令だったり各自治体の条例・規則に委ねられています。

民泊許可(特定認定申請)までの道のり

以上より、民泊を適法に行うには民泊許可(特定認定申請)によって旅館業法の適用を除外しなければなりません。

ここで、注意しなければならない点は、国家戦略特区だからといって直ちに民泊許可(特定認定申請)ができるわけではないという事です。民泊許可(特定認定申請)が受理されるにはその為の前提があります。

  1. 特区内で民泊を行うこと
  2. 各自治体の条例・規則が制定されること

この2つの前提が整ってはじめて民泊許可を申請することができます。

2016年9月現在この要件を満たす自治体として名乗りを挙げているのが、東京都大田区・大阪府・大阪市の3自治体になります。先日、東京杉並区でも民泊申請検討中との報道がありました。詳細は【民泊・Airbnb】杉並区でも民泊条例制定の動きが出てきましたね。を参照してください。

各自治体の現状で判明しているタイムスケジュールは以下のとおりとなります。

東京都大田区 2015年12月 条例・規則制定2016年1月中  特定認定(民泊申請)運用開始
大阪府 2016年1月 審査基準に関する詳細を公開2016年4月1日 特定認定(民泊申請)運用開始

追記:2016年9月現在東京都大田区及び大阪府で特区民泊が開始されています。

次では民泊許可(特定認定申請)の具体的な要件をみていきます。

民泊実務集団TEAM NanatsuBaとは

簡易宿所・旅館業・特区民泊許可取得の為の施設設計・デザイン・施工・各種許可申請を行政書士・建築士をはじめとした専門家チームで行います。行政書士・建築士・不動産会社・工事施工会社等、宿泊業のプロフェッショナルが物件紹介から施工までワンストップでサポートします。詳細はこちらから。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。