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東京大田区、大阪府といわゆる民泊(外国人滞在施設経営事業)についてこれまで、一つの大きな懸念点だった外国人が民泊する事に対する①治安面での不安と②近隣住民への影響に対する対策ついて、要件的なものも含めた方向性が決まったようなので解説します。

上の①と②に対する懸念は、これまで民泊(外国人滞在施設経営事業)について論じる時には色々な場面で登場し、平成26年の大阪府議会での条例否決の際も、平成27年9月に再度の条例制定を見越して大阪府が行ったパブリックコメントの結果(リンク先PDFです)でも触れられています。

ようするに、ある日突然隣の部屋に複数の外国人が頻繁に出入りしているのは治安面的にどうなのよ、という事です。

これに対して、行政による立ち入り調査権限の付与だったり、しっかりとした名簿作成だったりをすればいいんではないかという意見もあったわけです。

で、そういった意見も取り入れつつ警察庁とも協議をして内閣府から各自治体の長へ通知といった形で民泊(外国人滞在施設経営事業)の許可を出す時はこんなところに注意してくださいよ、というものが外国人滞在施設経営事業の円滑な実施を図るための留意事項について(通知)(リンク先PDFです)です。

以下、詳しく見てみましょう。

通知は①身元確認と②近隣住民の不安除去という二つの観点から作成されています。

身元確認

(1)名簿記載と旅券呈示・保存義務

認定事業者(民泊をやる個人や法人、Airbnbでいうホストのこと)は、滞在者の情報を記載する名簿を備え、そこに①住所②氏名③職業④国籍⑤旅券番号を記載し、旅券の呈示を受け、しかもその旅券の写しを名簿と一緒に保管しなければなりません。

通知に添付されている別紙滞在者名簿のサンプルには①~⑤に加えて、滞在期間も記載する箇所があるのでおそらく⑥として滞在期間も記載する必要があるでしょう。

この要件は比較的簡単にクリアできると思います。

(2)宿泊開始時と宿泊終了時の対面確認

認定事業者は、滞在者の宿泊開始時と宿泊終了時に対面(又は滞在者が実際に施設に所在することが映像等により確実に確認できる方法)で名簿に記載されている人物と同一人物であるかの本人確認をしなければなりません。

この要件は注意が必要です。要求されている本人確認は原則として対面での確認になります。民泊・Airbnbをやっている方の中には鍵の引き渡しはポストで、という方が多いでしょうから対面確認は今までの運用では満たせません。

もっとも、括弧書きで「滞在者が実際に施設に所在することが映像等により確実に確認できる方法」を使えば物理的に対面しなくとも良いという記載もあります。

なので、物理的な対面は必須ではなく映像通信専用の設備やテレビ電話等で対応が可能でしょう。

もっともじゃあフェイスタイムやライン電話、スカイプ、ハングアウト、そんな簡易的な方法ではどうなのかといった部分が今後は論点になってくるでしょう。

(3)状況確認、通報義務

認定事業者は、契約期間中に滞在者が適切に施設を利用しているか状況確認を行うとともに法令違反があった場合には警察に通報しなければなりません。

まあ、これは当然ですね。違法行為を発見したら通報しましょうという事です。

(4)滞在者名簿の保管義務

(1)で記載した滞在者名簿は3年以上保管しなければいけません。3年以上という事は3年間の保管義務という事ですね。

(5)行政の立入検査権限

立入検査権限は、特定認定(民泊の旅館業法適用除外)の取消事由への該当性を判断する時に限って条例で制定できる。

ようは、旅館業法適用除外の取消事由にあたるのではという懸念がある時に限って、行政は立入検査する事を条例で定められるという規定です。取消事由は特区法13条9項にのっています。

ざっくり言うと除外要件を満たさなくなったり、しっかりと決めた事を守っていなかったり、嘘をついて除外申請をした場合などです。

そんな疑いがある場合は、行政は立入検査する事ができるようにする事ができるということです。(こんなに回りくどい言い方をしているのは、立入検査権限の発動には自治体による条例の制定が必要だからです)

近隣住民の不安除去

(1)事前説明理解義務

認定事業者は事前に近隣住民に対して、民泊(外国人滞在施設経営事業)について説明し、理解を得るように努めなければなりません

近隣住民への民泊に対する説明義務と理解についてです。ここでのポイントは「説明し理解を得るように努めなければならない」という部分です。努めなければならないとは一般的には努力義務とされます。説明し理解を得るように努力してくださいというものです。努力義務に結果は求められていません。この点も今後どこまでの努力義務なのか注意が必要です。

(2)苦情窓口設置義務

認定事業者は近隣住民からの苦情等に備えて窓口を設置し、周知対応しなければなりません。

苦情窓口をどのレベルで公開するのは不明ですが、周知という事なので少なくとも近隣住民が知れるようにしておかないとですね。

(3)滞在者に対する説明

認定事業者は滞在者に施設の使用方法、廃棄物の処理方法、騒音等、火災発生時の通報先・初期対応の方法を説明しなければなりません。

これらの注意事項の説明は外国語での情報提供として旅館業法適用除外申請の要件にもなっています。

まとめ

以上が、民泊(外国人滞在施設経営事業)で話題になっていたネガティブ面への対応に関する一定の方向性です。

上記の通知は今後各自治体の条例・運用の中でより具体的になってくると思われますが、その際もこの通知から大きく離れる事はないと思いますので現時点での一定の基準になると思われます。

是非参考にしてください。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。