今日は、booking.comについてです。
私の実体験ですので、これから民泊をやりたいと思っている方には参考になるかと思います。
民泊での集客は基本的には民泊仲介サイトを利用します。これをOTA(Online Travel Agent)と呼んだりします。ネット上だけで、取引を行う旅行会社のことです。
このOTAはairbnbを筆頭にいくつかありますが、booking.comもこのOTAの1つです。
以前からbooking.comは予約がバシバシ入るOTAだ、という事を聞いていたので、自分の民泊施設でも2018年の年末ぐらいからaribnbとbooking.comを利用し始めました。
予約は確かに入る
今、確認したら初予約は2018年の12月15日になっています。日本人の方2名で1泊でした。
たしか、bookingを使い始めて数日で初予約が入った感じです。これは、すごい!と喜びもつかの間。数分後には謎のキャンセル。
なんで?と思っていたら、またすぐ別の予約が入りました。
ただ、その予約も数分後にはキャンセル。何かこちらがの設定が間違っているのかと色々確認しましたが、そのような点はなし。
当時は、わけがわからないまま、そのままにしていた疑問でしたがその後、理由が判明します。
bookingでは、ゲストからの予約についてアルゴリズム上不自然な点があると判断した場合には、自動キャンセルになる場合があるとのこと。
カードの情報だったり、住所だったりという点がそうらしいです。おそらく、私の自動キャンセルもbooking側が不審な点を見つけたという事だったのでしょう。
その後も、何件か自動キャンセルがあり、何とか初予約に至ったのですが・・・
ノーショーの嵐
ノーショーとは、当日キャンセルのことです。正確には、キャンセルの連絡さえもなく、時間になってもゲストが現れないことです。
自動キャンセル事件の後、3組ほどゲストが来ましたが、2019年になり今度はノーショーに悩まされることになります。
予約が入り、こっちはハウスでゲストの到着を待っているが肝心のゲストが来ない、連絡もつかない、という恐ろしい事態です。
この最悪な行為でるある、ノーショーは小規模施設にとっては死活問題となります。1日1組しか泊めないような施設であれば、その1組のために他の予約が入らなくなっています。
連泊ならなおさら、空室リスクが売上にダイレクトに響きます。
うちの場合は、airbnbの集約と並行してますので、そこまで大打撃ではありませんでしたが、ノーショーには悩まされました。このノーショーは心も疲弊するのです。
今、確認してみたらノーショーが実に13件もありました。半年間bookingにリスティングを出していて19件の予約がありましたが、このうち13件がノーショーでした。
おそろしい数です。
なぜノーショーが多くなるのか
理由は1つだけです。bookingでは、オンライン決済ができないこと、これに尽きます。正確には、民泊のような小規模施設ではオンライン決済の導入が極めて難しい、と言ったほうが良いのかもしれません。
bookingと比べてaribnbは予約時にクレジットカードで宿泊代金が決済されます。これは、施設の規模に関係ありません。
これに対してbookingでは宿泊代金の決済はチェックイン時に対面で行います。オンライン決済は、始めた当初は導入できません。
したがって、ゲストとしてはチェックイン時まで何ら金銭的な負担がなく、当日キャンセルしても、何もデメリットがありません。とりあえず、予約だけしておいて、当日まで安い宿が空くのを待って、そっちを予約するという方法をとることができます。
ちょっとでも条件がいいホテルが当日までに見つかれば、何の負担もなく乗り換えが可能です。最安値を常に求めているゲストには素晴らしいシステムなのでしょうが、ホスト側としては、恐怖でしかありません。
キャンセル料は理屈としては請求できますが、電話もつながらないゲストにどうやってキャンセル料を請求しろというのか疑問です。
オンライン決済までの高いハードル
じゃあ、bookingでもオンラインカード決済できるようにすれば良いじゃん、と思うでしょうが、それには高いハードルがあるのです。
bookingでオンラインカード決済を取り入れる為には、まずはチェックイン時に対面でクレジットカード決済を行えるような体制を整え、それを何か月か継続し、その間にbooking側から声がかかるのを待ってください、とのこと。
これには、さすがにあきれてしまいました。いつ声がかかるとも分からないbooking様からのお誘いを能天気に待ってください、と。
要するに小規模施設の場合、bookingでオンラインカード決済を導入できる術はほとんどないという事なのです。
オンラインカード決済の導入がほとんど不可能に近いという事が判明したその日、私はbookingのリスティングを非公開にしました。
さすがに、もうノーショーには付き合いきれません。
まとめ
booking.comは確かに予約は入ります。実際にbookingメインで集約しているという施設をいくつも知っています。ただ、小規模民泊には合わなかった、というだけだと思います。
そもそも、OTAの土俵で商売をしているのですから、はじめから嫌なら辞めれば良いだけなのです。人の土俵で商売をしておいてここを変えろ、ここを辞めろと言うのは筋違いです。
これから、民泊を始める方の参考になればと思い、今日はbookingの苦い思い出を記事にしました。
冬木 洋二朗
最新記事 by 冬木 洋二朗 (全て見る)
- 新型コロナ無利子・無担保融資情報 - 2020年3月30日
- 銀座地区での旅館営業を行う場合の地区計画について解説しました - 2019年12月25日
- 簡易宿所の工事を頼んでいた工事業者の倒産から学ぶ3つの倒産シグナル - 2019年12月24日