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旅館業法上の許可を取得する為に避けて通れないのが玄関帳場設置義務です。フロント設置義務と思っていただければわかりやすいかと思います。

特区民泊や民泊新法(住宅宿泊事業者法)は別ですが、簡易宿所や旅館業の場合には原則としてこのフロントにはスタッフの常駐が義務づけられ、その人件費が収益を大きく圧迫します。

京都や一部の地方では、フロントへのスタッフの常駐が義務付けられていない地域もありますが、東京都では基本的にはスタッフの常駐が必要になってきます。私のところにくる相談でもよく聞かれるのがこのフロントの設置義務とスタッフの常駐性についてです。(フロントの設置義務とスタッフの常駐性は正確には別のものですので、以下分けられるものは両者をわけて考えます。)

なので、今日は東京23区の自治体限定でフロントの設置義務とスタッフの常駐の有無をまとめました。50音順です。

最後に23区のフロント設置状況のマトリクス図を作ってありますので、参考にしてください。

1点注意点としましては、フロント設置やスタッフ常駐の緩和があるのは簡易宿所の場合だけです。旅館業の場合は通常どおりフロント設置、スタッフ24時間常駐ですからご注意を。

途中で出てくる管理事務所型とは、宿泊施設自体にフロントを設けないで宿泊施設から少しはなれた場所に管理事務所を設け、そこでチェックイン・アウトや帳簿記載をするようなスタイルで運営することです。

では、いってみましょう。

1.足立区

フロント設置は条例上求められていないのですが、指導として足立区ではフロントの設置が要求されています。管理事務所型についてもなかなか難しいです。

スタッフの施設内常駐も必要となります。

2.荒川区

収容定員が10人未満であれば施設内へのフロントの設置義務はありません。その場合には外部に管理事務所を設けてそこで対応するのもOK。

管理事務所には24時間体制でスタッフを置かなくても問題ありません。何かあった場合にすぐに駆けつけられる現実的な場所を管理事務所とし、そこを拠点として適宜スタッフの配置をするという方法での運用が可能です。

人件費的には大幅に節約できそうです。

3.板橋区

フロント設置義務はありません。もっとも、スタッフは必要になりますので用意する必要があります。ただ、必ずしも施設内常駐というわけではなく、管理事務所型での運営が認められた前例はあります。

最近の事例ですと隣接建物に管理者が居住しているケースがあります。

4.江戸川区

フロントの設置義務はありません。ただ、スタッフは24時間体制で施設内に常駐しなければなりませんので人件費は発生します。

近くに管理事務所を設けてそこから管理するような方法は具体案をもって役所との交渉次第です。

5.大田区

東京で唯一特区民泊が可能な大田区ですが、旅館業法上の緩和はありません。フロントの設置義務もありますし、スタッフの24時間体制での施設内常駐が必要となります。

6.葛飾区

フロントの設置義務はありません。したがって、仰々しいフロントは不要ですが、なにか台帳を記載するような場所は必要になります。スタッフは24時間体制での施設内常駐が必要になります。施設外の管理事務所型については現状では認めない方針。

7.北区

フロントの設置義務はありません。北区は他の自治体と毛色が違います。1組しか宿泊させないのであればフロントもスタッフの施設内常駐も不要です。なかなか、画期的で革命的ですが、いかんせん場所が場所なのであまり物件もないし、やりたがる人もいません。

ただ、北区であれば現状のエアビー状態で簡易宿所を合法に運営することが可能なのは魅力です。北区で違法民泊やってる方は是非簡易宿所許可を取得することをおすすめします。もちろんオーナーの許可が前提となります。

8.江東区

江東区は条例上でフロント設置義務の緩和が規定されています。以下の要件をどちらも満たしている場合にはフロントの緩和が使えます。

  1. 玄関帳場その他これに類する設備に代替する機能を有する設備を設けることその他善良の風俗の保持を図るための措置が講じられていること。
  2. 事故が発生したときその他緊急時における迅速な対応のための体制が整備されていること。

よって、管理事務所を近くに設けてそこで管理する方法が可能です。もっとも、管理事務所は、例えば同じ建物内や同じ敷地内にある建物といったように現実的に管理が可能な場所になければなりません。

平成28年の「旅館業における衛生等管理要領」の改正によるフロント設置義務の緩和と同じ内容でフロントの緩和が可能ですが、江東区の場合は改正案と違い収容定員を10人に絞っていない点が特筆すべき点です。

ただ、あまりにも収容定員が多い場合には緩和は使えないと思います・・あくまで現実的に管理が可能かどうかが大切な点です。

9.品川区

施設内にフロントは不要です。ただ、チェックインとアウト時のみ施設内での帳簿記載等が必要です。

24時間体制でのスタッフの常駐は不要ですが、何かあった場合にすぐに駆けつけられる体制は必要です。

管理者の常駐不要ですので、かなり運用の幅が広がり収益も出やすいと思います。宿泊需要もありますし、品川区は23区で一番可能性がある区です。

10.渋谷区

渋谷区は最も人気のある区ですが、ラブホテル建築規制条例がありますので非常にやりづらいです。やり方は色々ありますがフロント設置と管理者の施設内常駐は必須となります。

渋谷区の色々なやり方はこちらを参照してください。

11.新宿区

新宿も人気ですが、フロント設置と管理者の施設内常駐は必須となります。

12.杉並区

フロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。

13.墨田区

23区で唯一、平成28年「旅館業における衛生管理要領」の改正を取り入れている区です。収容定員が10人未満であればフロントの設置が不要で、管理事務所での手続きが認められます。

ただ、管理事務所へのスタッフの常駐が必要となります。

14.世田谷区

フロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。

15.台東区

人気の台東区ですがフロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。

16.千代田区

フロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。

17.中央区

フロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。

18.豊島区

フロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。

19.中野区

条例上フロント設置は不要です。近くに管理事務所を設けてそこで管理するという方法も認められる余地があります。具体的な基準はありませんが施設から近い建物に管理事務所を置き、そこでチェックイン・アウトの手続きをするというのも認められる余地があります。

管理事務所へのスタッフの常駐も24時間体制で必要というわけではなく、緊急時の体制をしっかりと整えておけば人件費を削減できます。

20.練馬区

フロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。

21.文京区

フロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。

22.港区

フロント設置義務はありません。隣接建物であれば管理事務所として使用することができます。管理事務所にはスタッフが常駐する必要がありますので、人件費は発生してしまいます。

23.目黒区

フロント設置と管理者の施設内常駐は必須です。


以上、東京23区でのフロントの要否と管理者の常駐についてまとめてみました。北区は基本的には施設にも管理事務所にも管理者は不要ですので一番人件費がかかりません。

ただ、人気がない。

総合的に判断するなら宿泊需要もあって、管理者の常駐不要の品川区がもっともおすすめな自治体といえます。

以下に、上の結果をわかりやすいように表にしておきました。画像でも用意してますのでご自由にお持ちください。また、SNSでシェアしていただければうれしい限りでございます。その際は背景のTEAMNanatsuBaは消さないでくださいね。

この記事を書いたのは民泊実務集団TEAM NanatsuBaです

簡易宿所・旅館業・特区民泊許可取得の為の施設設計・デザイン・施工・各種許可申請を行政書士・建築士をはじめとした専門家チームで行います。行政書士・建築士・不動産会社・工事施工会社等、宿泊業のプロフェッショナルが物件紹介から施工までワンストップでサポートします。詳細はこちらから。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。