前回(簡易宿所と旅館の大きな違い~①宿泊定員編~)の続きです。
簡易宿所と旅館業の大きな違いの第2回目です。
今日は、客室の数や広さについて。
客室数や広さも前回の宿泊者の収容方法に続き、実際に簡易宿所や旅館業の施設を作っていくにあたりとても大切な部分となります。
客室数
客室数については、旅館、簡易宿所ともに1室以上でOKです。2018年6月の旅館業法改正で5室以上の客室確保が不要となりました。
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客室の定義について旅館業法ははっきりと規定していませんが、自治体では壁・ふすま・板戸等で区画された部分のこと、という解釈が多いです。
旅館業における衛生管理要領によると、客室とは共用部分を除いた部分ということですので、区画基準で考えておいて間違いないはずです。
小規模施設での部屋貸しスタイル
これまで、客室数は旅館・ホテルでは5室以上という規制があったので、小規模施設では簡易宿所しか選択肢がありませんでした。
それが、2018年の旅館業法改正によって、撤廃され、その結果小規模施設における部屋貸しスタイルというものが可能になりました。
客室の面積
客室の面積は旅館の場合には7㎡以上(ベットの場合は9㎡以上)、簡易宿所の場合は3㎡以上が必要です。
ここで、少しややこしいのは簡易宿所の場合には一客室の面積という概念とは別に、客室の延床面積という概念があることです。客室面積全部足して、いくらという基準です。
それが基本的には33㎡以上となります。客室全部足して33㎡以上ないと簡易宿所の許可が取得できないということです。
定員10人未満の場合の例外
もっとも、これには例外がありまして、収容定員が10人未満の施設の場合にはそれにともなって延床面積が変動します。計算式が以下。
宿泊定員×3.3㎡
例えば、宿泊定員が5人であれば客室の延床面積は5人×3.3㎡=16.5㎡以上必要となります。客室面積全部足して、16.5㎡以上は確保してくださいということです。
ちなみに、客室の窓面積算定に使う有効床面積という概念はまた、別の概念になります。
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とりあえず、ここでの延床面積とは客室全部足した面積と考えておけば問題ありません。
面積の算定は内法で行います。建築図面は壁芯算定で作られてますので、内法にした場合には面積が足りなくなる場合があるので注意が必要です。
まとめ
簡易宿所と旅館業については、①改正により最低客室数が撤廃された②客室床面積の違い、この2点を押さえておけば大きく方向性を間違うことはないかと思います。
冬木 洋二朗
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