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いよいよ10月31日から大阪市での申請が受付される特区民泊ですが、その要件はなかなか厳しい感じになっています。

今回は主に大阪市での特区民泊申請と大田区での特区民泊申請について徹底解説しました。この記事だけで大阪市・大田区の特区民泊申請の全てがわかるように書いています。

申請をお考えの方はじっくり読んでいただければ自分だけで申請ができるはずです。

では、いってみましょう。

0.申請の流れの確認

まずは、全体の大きな流れを確認しましょう。大きな流れは以下の目次のとおりです。

※特区民泊申請のことを、正式には特定認定申請といいますので以下ではその表現で統一します。

  1. 物件選定時の注意点
  2. 現地調査時の注意点
  3. 決めなければならない事項
  4. 近隣への周知
  5. 消防への各種申請
  6. 特定認定申請

1から6までの時系列に沿って手続きを進めていけば無駄のない申請ができます。

1.物件選定時の注意点

まずは、物件選びです。物件選定の要件は旅館業法の許可ほどハードルは高くないですが、注意点はいくつかあります。

物件選定の際に注意しなければならない点は①地域・土地と②建物についてです。

①地域・土地

地域・土地については建物と違って要件に合わないからと言って改装・改装することはできません。特区民泊をどの地域で行うかはとても大切な問題です。

用途地域(大阪市・大田区共通)

建築基準法と都市計画法では用途地域という概念があり、その地域ごとにで建ててもよい建物の種類が予め決まっています。特区民泊は用途地域の判断上は「旅館・ホテル」と判断されます。

したがって、旅館・ホテルが建築OKな用途地域であれば特区民泊もOKという論理になります。以下の表の○印の用途地域では特区民泊が可能です。△は民泊施設の延床面積が3,000㎡を超えなけれOK。ほとんどの特区民泊で3,000㎡を超えることはないと思いますので○に近い△といった感じですね。

一種低層住居専用 ×
二種低層住居専用 ×
一種中高層住居専用 ×
二種中高層住居専用 ×
一種住居
二種住居
準住居
近隣商業
商業
準工業
工業 ×
工業専用 ×

表の上部と下部は規制がきつく、中間にいくほど規制が緩くなる感じです。「専用」とつく用途地域では特区民泊はできないと覚えておきましょう。

image42

 

正確な用途地域の確認は、市役所の都市計画課で住居表示を伝えれば丁寧に教えてくれます。

用途境に物件がある場合

よくあるのが用途境に物件がある場合です。物件が一種住居と二種中高層住居専用地域にまたがっている場合などです。その場合は、建物が建っている土地がどっちの用途地域に多く入っているかで判断します。

近隣対策

法定の要件ではありませんが、用途地域と同じぐらい重要なポイントが近隣対策です。

その地域に居住している住民の方の属性や、コミュニティの強さ、地域性の強さは非常に大切です。大阪市の特区民泊においては近隣住民への説明会又は戸別訪問が事前周知の一環として義務づけられています。大田区の場合の事前周知は書面によるポスティングのみでOKです。

特区民泊の申請において、近隣住民との関係は何よりも大切です。のちほど詳しく触れますが、特に大阪市の場合は東京の大田区より近隣住民への周知レベルが高いです。

地域性が強いエリアファミリータイプのマンション昔からのコミュニティが形成されている地域では必要十分な事前周知が求められますので、物件選びはその点を考慮しましょう。近隣対応でミスをすると最悪特定認定が取得できません。

②建物

次は建物についてです。

実際の物件探しでは、建物を探してから地域や土地について調べるといった順序になる場合が多いかと思います。

建物用途の確認

特区民泊物件の建築基準法上の用途は「住宅・共同住宅」です。

したがって、特定認定申請にあたっては建物用途が住宅・共同住宅となっている物件を選ぶようにしましょう。

もっとも、大阪市のガイドラインには以下の記載があります。

建築基準法に基づく用途について

国家戦略特区の認定により、特例として旅館業法の適用を除外された外国人旅客の滞在に適した施設については、建築基準法上「共同住宅」又は「寄宿舎」として扱うこ ととされておりますので、本用途への適合に留意してください。

共同住宅であれば、何の問題もありませんが、「寄宿舎」として扱うの部分が現時点では不明です。

建築用途としては、住宅・共同住宅の物件に絞るのが良いでしょう。

用途が住宅・共同住宅以外の物件については、その物件で特区民泊の特定認定を取得すると違法建築物になってしまいますので注意が必要です。その点については特区民泊と建築基準法の関係として別記事がありますので、そちらも参考にしてください。

消防法上の設備の確認

消防法上の設備については、建物ごとに必要となる設備も、その規模も異なってきます。事前にしっかりと考慮しておかなければ、後々余計な費用が発生することがありますので注意が必要です。

一定規模の特区民泊は消防法上は消防法施行令別表1(5)項イ「旅館・ホテル」として扱われますので、基本的には通常の旅館・ホテルと同じ消防法上の規制に服します

もっとも、一定規模に満たない民泊施設は通常の住宅として判断されますので、新たに設置する消防設備はありません

したがって、まずはどんな物件であれば消防法上の「旅館・ホテル」として扱われ、新たに消防用設備の設置が必要になるかの見極めが大切です。

戸建住宅の場合

民泊部分が建物全体の半分を超える場合には、その民泊施設全体が「旅館・ホテル」として扱われます。したがって、この場合には民泊施設全部に消防用設備が必要となります。具体的には、自動火災報知機は全ての階に設置しなければなりません。

次は、民泊部分が建物の半分ジャストの場合又は半分未満だが50㎡を超える場合です。

この場合には民泊部分のみが消防法上の「旅館・ホテル」になります。したがって、自動火災報知機も民泊部分のみに設置すれば問題ありません。

以上の基準をフローチャートにすると以下のようになります。

image44

 

 

戸建住宅での判断はマンションの場合に比べて判断は比較的容易だと思います。フローチャートに沿っていけば問題なく判断できるはずです。

次はマンションでの判断です。

マンション・共同住宅の場合

マンションでの特区民泊に関する消防用設備についての判断は、まずはマンションの延床面積が500㎡以上かどうかで判断します。

500㎡以上の場合

延床面積が500㎡以上であれば、そのマンションではそもそも「共同住宅」として自動火災報知設備の設置が必要なので、民泊用に新たに自動火災報知設備を設置する必要はありません。誘導灯については別途緩和規定があります。

延床面積が500㎡以上の建物ではその建物が消防法上の「旅館・ホテル」として扱われるかどうかは、そこまで重要問題ではありません。なぜなら、消防法上の「ホテル・旅館」として扱われるかどうかという点は、主に自動火災報知設備の設置が新たに必要かどうか、という問題として顕在化することが多いからです。

民泊に関係なく既に自動火災報知設備がついているので、そのままで民泊施設として対応できるということです。

もっとも、これには注意すべき点もあります。

それが、消防上「特定共同住宅」として扱われているマンションについてです。

特定共同住宅とは、建物の構造・避難経路の確保・開放性等一定の条件を満たした建物で、設置する消防用設備を普通の共同住宅より緩和された共同住宅のことです。特定共同住宅では、延床面積が500㎡以上であっても総務省令40号によって共同住宅用自動火災報知機という設備が備え付けられている場合があります。機能面で通常の自動火災報知設備より緩和されたこの共同住宅用自動火災報知設備では一定の要件を満たせない場合には、民泊用の自動火災報知設備として認めてもらえません。

したがって、建物が特定共同住宅として扱われ消防設備が共同住宅用自動火災報知設備に緩和されている場合には注意が必要です。

以下の要件を満たせないば場合には自動火災報知設備をまるごと交換する必要が出てくる場合があります。

1.民泊施設が100㎡以下で区画されていること

2.民泊施設の床面積が延べ床面積の1/10以下、かつ、300㎡未満であること

500㎡未満の場合

建物の延床面積が500㎡未満の場合には、民泊部分が「延床面積の 10 分の1以下であり、かつ、300 ㎡未満」なのかどうかが大切です。

民泊部分が「延べ面積の 10 分の1以下であり、かつ、300 ㎡未満」であれば、その建物は小規模特定用途複合防火対象物となります。

その建物が小規模特定用途複合防火対象物となれば自動火災報知設備は民泊部分のみへの設置でOKです。

したがって、建物が「延べ面積の 10 分の1以下であり、かつ、300 ㎡未満」の要件から外れる場合には、建物全体が民泊施設と判断され、その結果民泊部分だけでなく建物全部への自動火災報知設備の設置が必要となります。この場合には、民泊部分に関係なくその建物の全ての部屋に自動火災報知設備を設置しなければなりません。これは、ほとんど不可能な話しですね。

ですので、マンションに関してはまずは①500㎡以上かを見る②10分の1かつ300㎡未満かを見るといった二段階の確認が必須になります。

次は、民泊で設置すべき消防用設備についてです。

①自動火災報知設備

自動火災報知設備は全ての民泊施設で必要となります。もっとも、その規模は床面積によって変わってきます。

床面積が300㎡未満の場合

この場合には、小規模施設用自動火災報知設備といったもので足ります。小規模施設用自動火災報知設備とは、発信機や受信機がなく単体の報知器のみで成り立っている自動火災報知設備です。それぞれの各報知器は無線で連動するようになっていますので一つが鳴れば、他のものも鳴ります。

1個15,000円~20,000円程度で売っていますので300㎡未満の物件であれば消防用設備設置にかかる費用を大幅に抑えることができます。

300㎡未満であればこのタイプの自動火災報知設備が使えますので、一般的な特区民泊では小規模施設用自動火災報知設備で足りるでしょう。

小規模施設用自動火災報知機については、特定一階段に注意

3階以上の建物で特区民泊をする場合で、その建物に屋内階段が1つしかない場合にはその建物は特定一階段防火対象物となり、小規模施設用自動火災報知設備は使用できません。したがって、3階以上の建物で特区民泊を検討している場合には階段の数に注意する必要があります。詳細は、管轄の消防署の判断となります。

床面積が300㎡以上又は特定一階段防火対象物の場合

この場合には、小規模施設用自動火災報知設備が使えませんので通常の自動火災報知設備が必要になります。通常の自動火災報知設備とはよく小学校や中学校にありました赤い押しボタンがついている、あれです。

導入費用は、施設の規模にもよりますが最低でも数十万円は必要になります。

設置場所

自動火災報知設備は、基本的には各部屋ごとに設置します。部屋以外には押入れ、脱衣所に洗濯機置場があればそこにも設置します。クローゼットには設置不要です。布団を入れられる構造の押入れであれば設置が必要になります。

自動火災報知設備には熱感知器タイプ煙感知器タイプがありますので、設置場所も含めて必ず管轄の消防署の判断を仰いでください。

設置箇所もエアコンや壁からの距離等が決まっていますので、専門業者に設置してもらうのが賢明です。

②誘導灯

基本的には全ての民泊施設に設置が必要です。共同住宅の場合には設置免除規定と設置階に関する緩和規定があります。

もっとも、この緩和規定は消防庁から各管轄消防署への「通知」という形で運用されているものですので強制力のある扱いではない点に注意が必要です。必ず、管轄の消防署への確認が必要になります。

誘導灯の設置免除

民泊部分の床面積が延床面積の1/10以下であり、かつ、300㎡未満であれば地階、無窓階、11階部分以外の部分には誘導灯の設置は不要です。ようは、さきほど説明した小規模特定用途複合防火対象物の場合には誘導灯の設置は免除されています。

誘導灯の設置緩和

免除までいかなくても設置階が緩和される場合です。民泊部分の床面積が延床面積の1/10以下であり、かつ、300㎡未満でなくても(小規模特定用途複合防火対象物でなくても)、以下の要件を満たせば民泊施設がある階のみへの誘導灯の設置で足ります。

  1. 主要構造部が耐火構造
  2. 住戸が耐火構造の壁及び床で、200㎡以下に区画されていること
  3. 住戸と共用部分を区画する壁に設けられる開口部には防火設備が設けられていること
  4. 3の開口部の面積の合計は一つの住戸につき4㎡以下であり、かつ、一つの開口部の面積が2㎡以下であること
③消火器

基本的には床面積が150㎡以上の場合に設置義務があります。

もっとも、設置義務がないからといって民泊施設内に消火器が全くないというのも火災発生時には困りものですので、各階に1つぐらいは用意しておくのが良いでしょう。たいした値段はしませんので。

④防炎物品

物件選定の際には、ここまで見なくても良いでしょうが、民泊施設ではじゅうたん・カーペット・カーテン等は防炎表示がついたものが必要になります。

⑤漏電用火災警報器

建物で漏電が発生した場合に教えてくれる警報器です。設置基準や詳しい扱いは別記事の民泊で漏電火災警報器を設置しなけらばならない場合にまとめてありますので参考にしてください。

 4大設備の確認

特区民泊では、①台所・キッチン②浴室・お風呂③便所・トイレ④洗面設備の4つの設備が必須になります。したがって、物件を借りる際には4つの設備がしっかりと備わっているのかどうかを確認する必要があります。

以下、それぞれの設備の注意点です。

①台所・キッチン

広さに関する決まりはありません。普通にコンロがあって、流しがついていれば問題なしです。IHかガスかについてはどちらでも問題ないでしょう。

②浴室・お風呂

大田区では浴室には浴槽が必要ですが、大阪市では浴槽は不要です。大阪市ではシャワーだけでOKということです。あとは、普通に換気ができて排水ができれば問題ありません。

③便所・トイレ

洋式便器のみ認められます。和式便器はNGです(大阪市での扱いについては確認中)

④洗面設備

台所・キッチンとの兼用はできません。洗面設備として別個に必要となります。

床面積の確認

特区民泊で必要な一居室の床面積は25㎡です。壁芯基準で25㎡ですので、内法基準で25㎡確保できていれば問題ありません。建築図面等は壁芯、登記簿謄本は内法基準で㎡数を算出している場合が多いです。

一居室とは、寝室、台所、浴室、便所、洗面所、玄関、廊下、クローゼットを含み、共用部分であるベランダは含みません。ようは、部屋の中だけ含むということですね。
収容定員数の算出

収容定員を考える場合には、風呂、トイレ、台所、クローゼットを除き、宿泊者が睡眠・休憩できる1人当たりの床面積の目安として 大阪市では3.3 ㎡以上・大田区では3㎡以上であることが望ましい、とされています。3.3㎡又は3㎡に宿泊予定人数を乗じた広さ分だけ睡眠・休憩スペースが必要となります。

特区民泊で認められる民泊とは(大田区・大阪市共通)

特区民泊が想定している民泊形態は、居室と併せて風呂、トイレ、台所を賃貸借によ り滞在者に独占的に使用させる形態のものです(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業 に関するガイドライン32P.14「よくある質問について」より)。

したがって、まるまる貸切タイプがその想定される宿泊タイプであり、ホームステイ型民泊は特区民泊ではできません。3LDKの一部屋のみを特区民泊とするような形は想定されていないのです。

マンション管理規約の確認

マンションでの特区民泊の場合には、マンション管理規約で特区民泊が禁止されていないことが必要です。大阪市ではマンション管理規約は特定認定の際の添付書類となり、さらにマンション管理規約で民泊について触れていない場合であっても、管理組合の特区民泊を行うことについての承諾書が必要になります。

したがって、大阪市のマンションで特区民泊をお考えの方はかなりハードルが高いということを覚悟しておく必要があります。マンション管理組合が承諾書にすんなり判子をくれるとはなかなか思えません。

賃貸借契約ではもちろん賃貸人が、転貸借では、賃貸人及び転貸人等全ての契約者が特区民泊を行うことに同意していなければなりません。賃貸借契約書については添付書類となりますし、賃貸借契約書に記載がない場合には別途承諾書が必要となります。

 

以上が、特区民泊で特定認定を取得するうえでの物件探しで注意すべき点です。借りてしまった後、買ってしまった後では取り返しがつきませんでの事前にしっかり確認してください。

次は、借りるべき(買うべき)物件が決まった後の現地調査時の注意点です。

2.現地調査時の注意点

現地調査では物件に対する調査を行うことはもちろんですが、この時点で近隣住民や地域のコミュニティに対する調査もしっかりとしておきましょう。調査と言ってもできることは限られているので、最低限のことをしっかりしておきましょう。

物件に対する調査

物件を借りる(買う)場合には、内見時に物件調査をしたほうが安心です。図面上での判断のみで借りてしまって、その後現地調査をするというのもありですが、できれば事前の調査をしたいところです。

付表2-2を使う

調査方法に決まりはありませんが、調査の際には申請書の付表様式2-2又は別紙の記載事項をしっかりとチェックしていくのがおすすめです。保健所の現地調査もこれを参考にしながらチェックするはずですので、こちらも同じように現地の設備等をチェックすれば漏れはありません。

大阪市での現地調査の参考:付表2-2(PDF)

大田区での現地調査の参考:別紙(PDF)

写真を撮る

物件を借りる前は、不動産屋に確認をしてOKがでたら物件の写真を撮りながら調査するのがお勧めです。管轄の消防署に相談に行く際にはここで撮った写真をみせながらのほうが断然話しが早いです。自動火災報知設備を設置すべき場所の指示も写真を見ながらのほうがうけやすいです。

近隣に対する調査

特区民泊と近隣問題は切っても切り離せません。それほどまでに特定認定を取得するには近隣対策は重要です。

現地調査時には以下のポイントに絞って近隣の雰囲気を調査するのが良いでしょう。

  • 建売住宅地帯かどうか
  • 昔ながらのコミュニティが根強く残っている地域がどうか
  • 町内会・自治会はしっかりと機能しているのか
  • どんな、属性の住民が多いのか
  • どんな地域色なのか
  • ファミリータイプのマンションか投資用マンションか

物件に対する調査及び近隣に対する調査が終了し、特定認定を取得できそうであれば物件を借りる(買う)作業に入ります。

物件契約を締結次第、近隣に対する周知、消防関係の手続きを進めていきます。

それと同時に、事前に決めておかなければならない事項もいくつかありますので決定していきます。ごみの処理方法であったり、火災発生時の対処等がメインになってきます。

3.決めなければならない事項

申請書や近隣周知の際に使用する周知書面への記載が要求される事項や、翻訳が必要になってくる事項についてそれぞれ解説していきます。ここで決めた事項は申請書、近隣用周知書面、施設内に備えるハウスルール等と合致している必要がありますので、先を見通して決定することが大切です。

使用外国語

民泊施設で使用する外国語を決めます。特区民泊では、ここで決めた使用する外国語に対応できる外国人しか滞在させることができませんので注意が必要です。

英語は必須ではありませんが、デフォルトでしょう。他に中国語・韓国語なんかが最低限対応しておきたい外国語ではないでしょうか。使用外国語はホームページへの記載も必要になってきます。

契約書や施設内でのハウスルールはここで決めた外国語に翻訳されたものが必要になってきます。

周知書面への記載事項

近隣への説明に使用する周知書面に記載すべき事項は、手続きの早い段階で決めておく必要があります。これが決まっていないと近隣周知がはじめられませんので、手続きがその分遅延する原因となります。

施設の名称・所在地

施設の名称は何でも構いません

もっとも、近隣用周知書面として保健所等に確認を得た後に、書面の内容を変更するにはまた別途手間と時間がかかりますので、後から変更はできないと考えたほうが良いでしょう。

苦情等の窓口の責任者の所在地、氏名及び連絡先

苦情窓口の担当者と連絡先を決めておきます。申請書と近隣用周知書面にも同様の内容を記載します。大阪市では民泊施設の出入り口や施設内にも掲載しますので、その点も考えて決めましょう。

廃棄物の処理方法

特区民泊で排出されたごみは産業廃棄物となるため、一般の家庭用ごみとして処分することはできません。収集運搬許可業者に引き渡す必要があります。事前に産業廃棄物収集運搬業の許可(登録)をもつ業者との契約が必要になります。

民泊施設の清掃を外注される場合には、その外注業者が産業廃棄物の収集運搬業の許可を取得しているのかの確認も忘れずにしておくのが良いでしょう。

火災等の緊急事態が生じた場合の対応方法

ここは、一番大切な部分ですし保健所もしっかりと見てくる部分です。私が大田区に申請した時はこの部分の直しが一番多かったです。

まずは、民泊施設で使用する外国語に対応できる体制を整えておく必要があります。日本語窓口と外国語窓口を無理やり分ける必要はありませんが、自社スタッフが外国語に対応できない場合には、その部分だけ外注するというのもありでしょう。

昼間の窓口と夜間窓口も必要となります。各窓口の対応時間もしっかりと決めておきます。しかりとした体制作りは近隣対策としても大切です。

特区民泊契約書について

特区民泊で結ぶ契約は、賃貸借契約です。ほとんどの場合、定期借家契約でいくのが良いと思います。定期借家契約の雛形を基準として特区民泊の必須事項を追加してくような形で問題ありません。

国交省のサイトに参考にできる雛形が載っていますので、ここの雛形に特区民泊特有の絶対的記載事項を追加するのが良いでしょう。

この契約書についても、対応外国語への翻訳が必要になってきます。

鍵の引き渡し方法及び利用時・利用中・終了時の本人確認について

特区民泊では利用開始時及び利用終了時に本人確認が必要です。ついでに言うならゲストが施設に滞在している最中に最低1回は様子見が必要です。この様子見制度はゲストとしてはかなり迷惑な制度ですが、特区民泊ではこの様子見制度の実施が必要です。

もっとも、この一連の手続きは必ずしも物理的に対面で行う必要はなくて、ゲストが施設に滞在していることが映像等により確実に確認できる方法によって代替することができます。映像等での代替方法としては、テレビ電話、PCでのスカイプ等を使用した画面通話でも現状では問題なしとされています。

施設利用時の鍵の引き渡しはキーボックスでの運用、パスポートのコピーは事前にメールでもらっておく、利用時の説明はPCで行うという方法は特区民泊においては現状、法的には問題ありません。

ゲストに対する様子見制度もPCでの運用で問題ありません。

その他、民泊施設での対面確認、施設外での対面確認でももちろんOKです。

固定式ではないスマートフォン等の端末での本人確認等については、運用方法を兼ねて事前に保健所に相談したほうが賢明です。

ハウスルールの作成

ハウスルールは、対応外国語での表記も必要になり、翻訳との関係もありますでの早い段階での作成が望ましいです。

翻訳について

ゲストとの契約書、ハウスルール(苦情窓口・火災発生時の体制図、通報先)については対応外国語での翻訳が必要となります。外注する場合には手続きの早い段階での外注が望ましいです。

施設内の清潔保持の方法

清掃やリネン類の交換についてです。運営者が行うのか外注するのか代行会社が行うのか、事前に決めておく必要があります。

4.近隣への周知

ここまで、手続きが進んだらいよいよ次は近隣に対する周知です。大阪市の近隣周知は東京大田区と比較してハードルが上がってますので注意が必要です。

周知方法

大阪市での近隣住民への周知は①対面説明又は②説明会の開催のみです。大田区と違い書面によるポスティングのみでは認められません。ここ、かなり大切なポイントです。書面だけによる周知が認められれば興味がない方や面倒な方はおそらくスルーしてくれるはずでした。

しかし、対面説明か説明会の開催のみ認められるのであれば、本来ならスルーしてくれたであろう住民の方を強制的に特区民泊の手続きの中に入れなければならなくなりました。ただ、いずれにしても今後特区民泊が今以上に注目され、騒がれれば書面でのポスティングだけでカタがつくことはありませんでしょうから、対面での説明が必須になってくるはずです。

私、個人的には説明会より、戸別訪問での対面説明が良い気がします。

大田区での特区民泊は現状、書面によるポスティングのみでOKです。

周知レベル

近隣に対する周知の結果、特区民泊に関してどれくらい納得してもらえればいいのでしょうか

これは、基本的なスタンスとしては大阪市が公開しているガイドラインの通りでしょうが、おそらくこれでは済みません

周知説明は特定認定申請を行う前までに完了してください。

説明方法として、必要な事項を記載した書面を用いて、説明会の開催や個々の住民を訪問しての説明があります。(申請の際には、近隣住民への周知に使用した資料、及び、周知方法と実施結果を記した書面を添付する必要があります。)なお、訪問先不在の場合は、訪問時間を変える等の工夫を行い、対面説明し、理解を得る努力をする ことが必要です。

不在の場合はもちろん会えるまで反対の方がいる場合はある程度の納得が得られるまで、数回、特定認定申請後も近隣住民への理解を求めることが必要になるはずです。理解していただく為の措置であったり、施設側ができることはできるだけするようにしたほうが理解も得やすいでしょう。

周知範囲

周知範囲は東京大田区でも大阪市でも同じです。大前提はその建物の所有者ではなく使用者(大家ではなく借りている人)に対して行うということです。

大田区も大阪市も表現は違いますが、基準は同じです。

民泊施設内での周知

マンション等で特区民泊を行う場合のそのマンション内での周知についてです。

施設が存する建物内に、特定認定を受けようとする居室以外に住居が存する場合に あっては、当該住居の全世帯

特区民泊を行う部屋以外のマンション内の全部屋・全世帯ということです。大田区の場合はポスティングですみますが、大阪市の場合には全世帯に対する対面説明又は説明会が必要になります。

民泊施設外での周知

この場合2パターンに分かれます。大田区が配布している図がわかりやすので、以下それを使って説明します。その前にまずは規定を確認。

次の(ア)又は(イ)に掲げる建物(施設の存する建物の外壁から水平距離で 20 メート ルを超える場合を除く。)に存する全世帯

(ア) 施設の存する敷地の境界線に接する敷地に存する建物

(イ) 施設の敷地の境界線から道路、公園等の敷地を挟んで隣接し、敷地境界線までの 水平距離が 10 メートル以下である建物

20m基準

まずは、特区民泊施設の外壁から20m離れているかを判断します。この時点で外壁どうしが20m離れていればその建物は周知範囲から外れます。

syuchi1

青い建物が民泊施設です。紫の部分にあるC、D、Eの建物は外壁基準で民泊施設から20m離れているので周知すべき建物はありません。

敷地境界に接する敷地にある建物

つぎは、民泊施設の敷地に接している敷地上の建物に対する周知です。

image144

青い建物が特区民泊施設です。その敷地に接している敷地にある建物ですからA、Bがまずは周知すべき建物です。

H、C、D、E、Fについては公園と道路を挟んで隣接しています。

この場合には、民泊施設がある敷地の境界線からH、C、D、E、Fの建物がある敷地まで10m離れているかどうかを見ます。C、D、E、Fについては敷地と敷地が10m離れていませんので周知が必要です。Hについて隣接といえるか微妙ですが、大田区が公開している資料ではHも周知建物となります。隣接という扱いなのでしょう。

周知範囲の確定は意外とややこしいので、自分で申請する場合は保健所に相談しながら判断するのが良いでしょう。

5.消防署への各種申請

近隣への周知と同時進行で進めなければならないのは、消防用設備の設置とその申請です。

消防用設備の使用開始届け、特例の適用の為の申請書等、民泊施設に設置すべき消防用設備によって申請する書類の種類も数も異なってきますので、詳細はここでは割愛します。

特区民泊の特定認定には、管轄の消防署が発行する消防法令適合通知書を添付しなければなりませんので、消防での手続きは必ず特定認定申請までに終わらせておくべき必要があります。消防署へは2~3回は行く必要がでてきます。

管轄の消防署による現地調査もありますので、早い段階での手続きが必要になります。近隣住民への周知手続きと同時進行で進めていきましょう。

6.特定認定申請

ここまできたら後は保健所に特定認定申請を提出するだけです。

以下では、申請書に添付する書類についての解説を中心にしていきます。

 法人の場合は定款又は寄附行為及び登記事項証明書

法人の定款と登記事項証明書(会社謄本)を添付します。ここで、一番問題となるのが法人の目的欄には民泊事業についての記載がなければいけないのかという点です。

この点については、東京大田区、大阪市ともに「目的として特区民泊に関しての記載はいらない」との回答です。なので、定款変更は不要となります。そのまま、定款のコピーを添付すればOKです。

個人の場合には住民票を添付します。

賃貸借契約及びこれに付随する契約に係る約款(外国語表記とその日本語訳)

ゲストと締結する賃貸借契約書です。雛形は国交省のHPにある(記事上部にリンクがあります)定期借家契約でよいと思いますが、特区民泊契約では各自治体によって絶対的記載事項が決まっていますのでそれを漏れなく記載するようにしてください。

以下は大阪市と大田区の絶対的記載事項です。

大阪市での絶対的記載事項

  • 本事業による賃貸借契約は施設(居室)の滞在のみを目的として、施設(居室)内での営業行為等を禁止する契約であること
  • 居室の衛生管理その他の施設の管理上特に必要があるときは、あらかじめ滞在者の承諾を得て、居室内に立ち入ることができること
  • 解約条項を定める場合には、滞在者の自己都合による中途解約の場合、大阪市条例で定められた期間未満相当額の返金を禁止すること

 

大田区での絶対的記載事項

  • 7日以内の解約できない旨(やむを得ない事情等でキャンセルがあり、実際の滞 在は7日未満であっても、契約期間中の重複した別契約は認められない。)
  • 施設滞在者は、日本語又は対応外国語に対応できる者であること。
  • 日本に住所を有しない外国人は旅券、日本人及び日本に住所を有する外国人の場 合は、旅券又は運転免許証等の身分証明書の呈示を義務付ける条項
  • 施設に備え付けられた設備の使用方法 、廃棄物の処理方法 、騒音等により周囲に迷惑をかけないこと、火災等の緊急事態が発生した場合の通報先及び初期対応の方法(防火、防災設 備の使用方法を含む。) の遵守の条項
  • 対応できる外国語の種類
  • 各施設で提供する役務

大田区のほうが若干記載するべき事項が多いですね。

施設の構造設備を明らかにする図面

これは、大田区・大阪市ともに簡易的な図面で問題ありません。賃貸用の図面にわかりやすようにテーブルや冷蔵庫、ベットの位置を配置したものを添付します。㎡数も記載しておくのが良いでしょう。

滞在者名簿の様式

各自治体のHPに雛形がありますので、その雛形を使用すればOKです。

消防法令適合通知書

消防署での現地調査の結果、民泊施設の消防用設備に問題がなければ発行してもらえます。それの、コピーを添付しましょう。原本も申請時には一応持参しましょう。

水質検査成績書の写し(使用水が水道水以外の場合)

大阪市では、井戸水や貯水槽にある水道水以外の水を使う場合には水質検査が必要になります。その成績書を添付する必要があります。普通の賃貸であれば水道水ですのでほとんど心配はありません。

施設を事業に使用するための権利を有することを証する書面

賃貸借契約であれば、契約書に特区民泊についての記載がない場合には所有者の承諾書、転貸借であれば賃貸人・転貸人すべての承諾書です。これは、もとの賃貸借契約書に記載がなければ別途承諾書をこちら側で作成し、添付書類とします。

マンションでの特区民泊であればマンション管理規約又は管理組合の承諾書が必要になってきます。

大田区の場合には現状ではマンション管理規約は添付書類ではありませんが、おそらく今後は大阪市と同じように添付書類となってくるでしょう。

施設の構造設備及び外国人旅客の滞在に必要な役務の提供等の概要等

これは、施設内の設備や備品に関するものです。雛形が各自治体のHPあります。

付近見取図

施設の付近に関する地図です。大阪市では添付が必要ですが大田区では不要です。

居室内に備え付ける施設の使用方法に関する案内書(外国語表記とその日本語訳)

ハウスルールですね。使用する外国語での表記が必要になります。大田区ではハウスルールは添付書類ではありません

近隣住民への周知に使用した資料及び周知方法と実施結果を記した書面

近隣住民への周知の際に使用した書面や、説明の結果を反映した書面です。周知の結果出てき意見や交渉の経緯をしっかりと書面にすることが大切です。大阪市が雛形を公開していますので参考にしてください。

近隣住民への周知がうまく進まない場合には、特定認定申請後でも交渉の経緯を随時反映した最新版を提出する必要がある場合もあります。

最後に

ここまでくれば後は手数料を用意して、いざ特定認定申請です。手数料は大阪市が21,200円、大田区が20,500円です。標準審査期間は2週間となります。

特区民泊の申請をお考えの方が初めから読んでいただければわかるように、一通り流れと注意点を解説しました。私の解釈や個人的な意見に基づいた部分もありますので、その点はご注意ください。間違い等もあるかと思いますが2泊3日の特区民泊解禁に向けて参考にしていただければ幸いです。

それでは。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。