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民泊全面解禁と各種報道で出ているとおり、民泊に関する法規制も5月後半で大きな動きがありました。

具体的には、①第10回民泊サービスに関する検討会で今後の民泊サービスに関する制度設計がある程度固まってきたこと②5.19に政府の規制改革会議が民泊に関する規制改革案を答申したことです。

基本的には①の検討会での制度設計を答申するような形でしょうから、規制改革会議が答申した資料をもとに分析しましょう。ちなみにこの答申に基づいて内閣は5.31に規制改革実施計画を閣議決定するようです。

なので、今後の民泊を巡る法規制の方向性は今回の規制改革案の内容で大方決まったのかな、と捉えて良いと思います。以下、解説します。

まず、前提として用語について。

以下では、これまでの民泊を「通常民泊」、特区での民泊を「特区民泊」、今回の規制改革会議で案として出ている民泊を「新民泊」と呼びます。

家主居住型と家主不在型

規制改革案での新民泊では、まず民泊の種類を2つに分けます。家主居住型と家主不在型と呼ばれるものがそれです。

これは以前から民泊サービスに関する検討会でも挙がっていた案です。民泊の形態を2つに分けて格別の規制をしていこうというもの。家主が住んでいる家にホームステイのような形でゲストを迎える本来の意味での民泊に近い家主居住型タイプと、よりビジネス的な家主不在型民泊とを分けての段階的な規制ですね。

許可?届出?

これら2つの形態の新民泊を行う場合、必要な手続きは許可ではなく届出で済みます(第10回民泊サービスに関する検討会の資料では家主不在型の場合は登録としていますが、規制改革案のほうが後日の為以下その表現で書き進めます)。許可と届出の違いは民泊での許可制と届出制の違いを参考にしてください。

届出のための施設要件、㎡数、必須設備等は明らかになっていませんが、おそらく用途としては住宅扱いになりますのでホテル・旅館等の特殊建築物ではなくなります。特区民泊と同じようなイメージでしょうか。消防法上の問題等々は今後明らかになっていくでしょう。

手続きとしては許可ではなく届出ですから、施設要件等もそんなにハードルは高くないはずです。この点で規制改革案はこう言っています。

「届出」及び「登録」の手続はインターネットの活用を基本とし、マイナンバーや法人番号を活用することにより住民票等の添付を不要とすることを検討するなど、関係者の利便性に十分配慮する。~規制改革に関する第4次答申より~

手続きはネット活用を基本とするとのことです。ネット申請ですから、そこまで添付書類や要件でのハードルは高くないことが予想されます。

ここまでだと、新民泊は非常に規制が緩く、とうとう民泊大解禁だ!となりそうですね。

ただ、そうは問屋が卸さないのが民泊の場合です。

民泊を2つの類型に分けてネット上の簡単な手続きでできるとされている新民泊ですが、それには大切な要件があります。

それが「一定の要件」といわれているものです。

実は、これまで説明したこの新民泊の制度、全て「一定の要件」を満たした場合は・・・という留保つきの制度なのです。つまり、一定の要件という基準を満たす一定の民泊のみが新民泊と判断され、簡単なネット上の手続きのみで適法化されます。したがって、一定の要件から外れた民泊に関しては従来どおり旅館業法の許可が必要になります。

では、その一定の要件とはどんな要件でしょう。恐る恐るみてみましょう。

一定の要件

はっきりとした要件はまだ決まっていませんが、規制改革案や検討会での議論で挙がっている要件は以下です。

  • 年間宿泊日数上限
  • 宿泊人数制限
  • 延床面積制限

この中で、制度化されるのが濃厚なのが年間宿泊日数上限でしょう。

年間提供日数上限による制限を設けることを基本として、半年未満(180 日以下)の範囲内で適切な日数を設定する。~規制改革に関する第4次答申より~

規制改革案ではこう言ってます。ほとんどこれで本決まりな気がします。180日未満の年間宿泊上限日数が一定の要件の核になるのかなと思います。

で、こうなったらビジネスとしての民泊の魅了はほとんどないんじゃないでしょうか。色々な運営形態がありますでしょうが、月15日稼働の民泊施設で利益を出すのはなかなか至難の業かと思います。

利益が出ないならこの新民泊制度の利用者も当然出ない。新制度の利用者が出ないと特区民泊と同じ結果になるわけです。閑古鳥です。

しかも始末の悪いことにこの一定の要件は、規制改革案の段階では家主居住型でも不在型でもどちらにもかかってきます。もはや、居住型と不在型分けた意味が良くわかりません。違いは後ほど。

この一定の要件が邪魔で、無制限に民泊をやりたいのであれば、やはり現状では従来どおり旅館業の許可をとるほうが近道です。やはり、旅館業法外で民泊をやる分には、何らかの足かせがついてくるのが民泊の現状です。

家主居住型と不在型の違い

家主居住型と不在型、この両者は手続きも同じで、一定の要件という基準も同じです(規制改革案では)。

では、両者の違いはどこでしょう。

一番大きな違いは、「民泊施設管理者」といわれる管理者の存在です。

まずは、この聞き慣れない「民泊施設管理者」について見てみましょう。

民泊施設管理者

管理者についての詳しい説明資料はありませんが、検討会では以下のような表現をしています。

  • 「家主不在型」の民泊については、住宅提供者が管理者に管理を委託することを必要とし、適正な管理や安全面・衛生面を確保する
  • 管理者には、利用者名簿の作成・備付け(外国人利用者の場合は旅券の写しの保存等を含む。) 、最低限の衛生管 理措置、利用者に対する注意事項の説明、住宅の見やすい場所への標識掲示、苦情の受付、当該住戸についての法令・契約・管理規約違反の不存在の確認等を求める。

読んで字のごとく、民泊施設を管理する者が民泊施設管理者と呼ばれる者みたいですね。利用者名簿を作成したり、ゲスト・近隣住民からの苦情対応などを行う者といった感じでしょうか。

管理者をやりたい場合には行政への登録が必要になってきます。おそらく宅建免許を持っている不動産業者なんかが管理者の筆頭になるんではないでしょうか。

利用者名簿の作成や苦情の受付をするという事ですから、民泊施設からの物理的な近さは必須になってくるでしょう。宅建免許取得が管理者の必須要件となってくると、管理者ビジネスをやりたい人にとってはなかなかのハードルになってくるはずです。供託金高いですからね。

不在型は管理者必置

で、話しを戻しますと家主不在型の場合にはこの管理者を置いてください。というのが、居住型と不在型の大きな違いです。不在型では管理者が必置、居住型では管理者が不要ということです。

不在型では、管理者に対する管理料も当然発生するでしょうから、年間宿泊日数上限と相まってなかなかの経費になりますね。

その他の部分

新民泊についての大きな理解は以上でいいと思います。

①まず、一定の要件という網をかけて、その要件を満たしているかどうかで新民泊制度の対象かどうかを判断(正確には満たす気があるかどうかという事ですね)

②一定の要件をクリアしているならば、居住型・不在型ともにネット上の届出だけで新民泊が適法化

という流れになります。

その他、新民泊では宿泊拒否制限規定を設けない(宿泊拒否できる)、家主不在型での玄関への民泊施設管理者の連絡先表示、なんかがありますが細かい要件は今回は割愛しました。

とりあえず、現状の新民泊に対する議論と方向性はこんな感じです。

まとめ

なかなか進まない民泊の規制緩和ですが、ここにきて一気に動いたと思ったら全国版特区民泊のような感を呈してきております。このままだと特区民泊と同じ未来が待ってる気がします。

やはり現状、民泊を正面からやりたいなら、簡易宿所か旅館業の許可をとるしかありませんね。そんな事をメインに行う民泊チームがそろそろ動きだします。民泊実務チーム「NanatsuBa」として、正面から簡易宿所や旅館業の許可取得をお考えの方からのお問い合わせ、お待ちしております。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。