• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今回は民泊と消防法についてです。

民泊に関する消防規制は規定が非常に入り組んでいまして、情報も錯綜しています。

大切なのは、民泊が既存消防制度の中でどの規制に該当するのかということをしっかりと把握すること。

民泊としての独自の規制はありませんので、既存制度へのあてはめがメインになります。

旅館業・簡易宿所許可がほしい方、許可がとれる物件情報がほしい方はこちらお問合せを

民泊の各類型に振り回されずに、既存の規制を理解することが大切かと思います。

基本的な考え方

  • 旅館業法による民泊
  • 特区民泊
  • 民泊新法(住宅宿泊事業法)での民泊
  • イベント民泊

民泊には以上の4類型がありますが、消防庁は民泊に備えるべき消防設備の基準につき①宿泊施設として5項(イ)か、②複合用途として16項(イ)か、③共同住宅として5項(ロ)の3つに該当するかどうかという判断をしています。

したがって、まずはこのチャートによって、自分のやろうとしている民泊がどのパターンにあたるのかをはっきりさせることが必要です。

宿泊施設 5項イ

消防法施行令別表第1の5項イについてです。

一棟ビルや戸建てで旅館業や簡易宿所、特区民泊、住宅宿泊事業を行う場合や、共同住宅の一室でも客室面積が50㎡を超える場合などがここのカテゴリに該当します。

この場合には、通常の宿泊施設「旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの」として扱います。

消火器

延べ床面積が150㎡以上の場合には必要になります。台数や設置場所については、建物の構造等が影響してきますので管轄の消防署との個別相談が必要になります。

自動火災報知設備

自火報や火報なんて言い方をします。

5項(イ)の旅館・簡易宿所の場合には規模に関係なく、全ての施設で自動火災報知設備の設置が必要になります。

300㎡以下での例外規定

もっとも、延べ床面積が300㎡未満の場合で、かつ、建物が2階建て以下の場合には特定小規模施設用自動火災報知設備の設置が可能となります。

特定小規模施設用自動火災報知設備とは、受信機が不要な無線式のもので、感知器のみで作動します。

導入コストも通常の自動火災報知設備と比べると格段に安いうえに、消防設備士でなくても設置が可能です。感知器どうしは無線で反応しますので、施工の際も点検口などを新たに作らなくても設置が可能な点も大きなメリットです。

特定一階段防火対象物に注意

建物の階段が中階段で1つしかない場合で、3階以上の階に民泊や旅館業施設が入る場合、その建物は特定一階段防火対象物となります。

建物が特定一階段防火対象物と認定されると、たとえ延床面積が300㎡未満であっても、特定小規模施設用自動火災報知設備の設置はできず、通常の自動火災報知設備の設置が求められますので注意が必要です。

特定一階段防火対象物は用途変更案件では意外と多いので、よく確認してください。ちなみに、特定一階段防火対象物と判断されると避難器具の設置要件も厳格となります。

誘導灯

全ての施設に必要となります。設置場所は管轄の消防署に確認が必要になります。設置には、電気工事が必要になりますので、素人では設置不可です。

複合用途 16項イ

ビルのワンフロアや、ビルの一室、共同住宅の一室で旅館業や簡易宿所を行う場合は、複合用途として規制がかかるかが問題となります。

消火器

それぞれの用途の面積が150㎡以上かどうかで判断します台数や設置場所については、建物の構造等が影響してきますので管轄の消防署との個別相談が必要になります。

自動火災報知設備

複合用途の場合は、民泊以外の用途のテナントや住居が入っていますので、どの部分まで自動火災報知設備を設置すれば良いかが最も大切なポイントとなります。

建物の延べ床面積が300㎡を超えているかどうかで設置すべき部分が変わってきます。

延べ床面積300㎡未満

この場合は、旅館営業や簡易宿所部分だけに自動火災報知設備を設置すれば足ります。

延べ床面積300㎡以上

旅館営業や簡易宿所部分が全体の延べ床面積の10%を超えているかどうかで判断します。10%を超えている場合は、建物全体に自動火災報知設備を設置しなければなりません。

10%未満であれば、旅館営業や簡易宿所部分のみへの設置でOKです。

設置すべき自動火災報知設備のタイプ

特定一階段防火対象物に該当しなければ、延べ床面積が300㎡未満の場合、または、延べ床面積が300㎡以上の場合でも①旅館営業や簡易宿所部分が300㎡未満であり、かつ、②旅館営業や簡易宿所部分の面積が全体の10%未満であれば無線式の簡易な特定小規模施設用自動火災報知設備が使えます。

さらに、①旅館営業や簡易宿所部分が300㎡未満であり、②旅館営業や簡易宿所部分及び共同住宅部分以外の用途が存在しない場合で、③延べ床面積が300㎡以上500㎡未満の場合でも、無線式の簡易な自動火災報知設備が設置可能です。

上記以外は、通常の自動火災報知設備が必要になります。

誘導灯

5項イの場合と同じで、全ての施設に必要となります。

特区民泊と民泊新法(住宅宿泊事業法)の場合

この場合でも、先ほどのチャートで判断して宿泊施設として5項イになるか、複合用途として16項イになるかが問題となります。

一般住宅にあたる場合は、住宅用火災警報器の設置のみでOKです。

自動火災報知器の設置個数

自動火災報知器の設置場所については基本的には各部屋ごとに設置する必要があります。

注意するべきは、脱衣所と押入れです。ここら辺の扱いは管轄の消防署でも若干の違いがある部分です。

脱衣所への設置

まず、脱衣所には洗濯機置場があるかどうかで設置するか否かが分かれます。

洗濯機置場がある場合には電気を使用していますので、火災の危険がありますから自火報を設置しなければなりません。

押し入れへの設置

押入れについては、布団を収納できるようなものであれば設置が必要となります。単なるクローゼットであれば設置は不要です。

旅館業・簡易宿所許可がほしい方、許可がとれる物件情報がほしい方はこちらお問合せを

自火報の種類や個数

設置すべき自火報の種類も設置場所ごとに熱感知器タイプか煙感知器タイプかで異なってきますので、管轄の消防署の指示にしたがってください。

個数は特定小規模施設用自動火災報知設備であれば、感知器数は15個が最大数ですので、15個を超えるようであれば、通常の自動火災報知設備で対応となります。

防炎物品

カーテンやじゅうたんなどは防炎表示がされているものが必要になります。

漏電火災警報器

木造で外壁がラスモルタル造りの場合には、漏電火災警報器設置の可能性が出てきますので注意が必要です。

漏電火災警報器については、民泊で漏電火災警報器を設置しなけらばならない場合を参考にしてくだい。

まとめ

今回は民泊と消防法について解説しました。

大切なポイントはその対象物が5項イの宿泊施設なのか16項イの複合用途としての対象物になるのかになります。

もう1点は、設置すべき自動火災報知設備のタイプです。

無線式の簡易タイプでよいのか、通常の自動火災報知設備が必要なのかがポイントになります。

消防法の規制は非常に複雑で入り組んでいますので、必ず事前に管轄消防署への確認を行うようにしてください。できれば、防災業者と一緒に行くのがより良いかと思います。

The following two tabs change content below.

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。