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(記事執筆:Team NanatsuBa  1級建築士 木下勝茂)

昨年 (2016年)の 秋オープンした「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海」という高級リゾートホテルの設計に携わりました。

1泊1名8万円からVIP室は30万円からという価格設定ですが、既にリピーターもついて、休前日だけでなく平日も盛況なようです。

建築設計依頼のお話を頂いたのは2015年の春で、既存の木下孝一棟梁の数奇屋建築を最大限生かしてリゾートホテルを開業したいとのご要望でした。建築雑誌でも紹介された名建築をホテルに生まれ変わらせるという大プロジェクトに関わることができるという嬉しさで設計をお引受したのですが、私の設計実務経験の中でも最も困難な仕事となりました。

困難の連続

開発許可、風致地区、景観条例などハードルは沢山ありましたが、ここでは建築基準法に付いてお話します。

既存建物を利用するとき、用途が変わらなければ手続きは簡単ですが、今回の計画は「戸建て住宅」を「ホテル・旅館」に用途変更するという最も難しい申請になりました。建築基準法の規制は特定個人が利用する「戸建て住宅」が最も緩く、不特定多数が宿泊する「ホテル・旅館」は最も厳しくなっています。

具体的には、宿泊客を安全に避難させるために避難経路の天井や壁を燃えにくい材料に置き換えることや、排煙設備・誘導灯の設置などが必要となります。数奇屋建築の仕上は貴重な材料が手の込んだ工法によって組み立てられたものが多く、設計には難しい判断が続きました。

RC造客室の増築

既存建物を利用する際に用途変更だけであれば、構造については安全性を検証するだけでよいのですが、今回は既存と同規模のRC造客室を増築するという工事が伴った上に、完了検査を受けた記録がなかったため、既存部分の構造に付いても現行法に適合する仕様とすることが求められました。

既存建物に付いては確認申請時の図面は残っていたものの、現況とは異なる部分があり、さらに筋交いも確認できなかったため、実測調査をして現況図面を作図後に耐震診断を実施することになりました。

耐震診断の結果を基に、既存建物の耐震補強工事を実施しました。

数奇屋建築は縁側など開口部が多く、基本的に柱が露出している納まりであるため、耐震壁をバランスよく目立たないように配置することには苦労しましたが、数奇屋建築の繊細な雰囲気を壊すことなく、とても満足のいくリノベーションを手掛ける事ができました。

「古くて味のある既存建物を活用したかったけど、検査済証が無かったので断念した」という話を良く聞きますが、国土交通省もストック活用のため規制緩和を進めている部分もあり、今までより可能性は広がっています。

(記事執筆:Team NanatsuBa  1級建築士 木下勝茂)

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。