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久しぶりに相談事例からです。更新が久々すぎて文章がうまく書けなくなってます。それではいってみましょう。

自宅兼3部屋の賃貸物件のマンションをこれから建てます。区の保健所に相談したところ簡易宿所も旅館業も3部屋しかないので無理だと言われました。が、法改正で可能かもしれないのですがいつ頃になるのでしょうか?申請制の民泊、旅館業を見越して建てる時の注意点はなんでしょうか?

都内で新築の自宅兼3部屋のマンションを建てるとのこと。どんな規模かちょっと分かりづらいですが、部屋数としては5部屋はなく3部屋しかないということですね。

旅館業・簡易宿所で必要とされる部屋数

まずは、最初のポイント。

旅館業・簡易宿所の客室として使える部屋が3部屋しかとれないので、保健所にその旨を伝えたら旅館業も簡易宿所の無理だよ、と言われたとのこと。

これは、果たしてその通りでしょうか。

旅館業法施行令にはホテル・旅館についての部屋数の規定はありますが(ホテル10室・旅館5室)、簡易宿所に関しての部屋数の規定はございません。

規定がないということは、部屋数についての決まりはないということ。

よって、簡易宿所の場合であれば部屋数は1部屋からOKです。

以上より、今回の保健所の回答は明確に間違っております。担当者が勘違いしたのか、勉強不足なのか分かりませんが、いただけない回答ですね。

ゲストの入れ方が違う

しかし、簡易宿所であれば追い込み式という方法でゲストを入れなくてはなりません。追い込み式とは、山小屋での宿泊という感じです。ベットが空いている限り基本的にはゲストの宿泊拒否はできません。

これに対して旅館であれば部屋ごとにゲストを入れるので、部屋貸しという形でゲストを入れることができます。

旅館と簡易宿所の一番の違いはこの部分です。

この「追い込み式」というゲストの収容方法に抵抗がある場合には、旅館として許可取得をするしかないということです。

質問者さんの計画のように部屋数が3部屋しかとれないのであれば、簡易宿所として許可を取得すればいいだけの話しです。

旅館業改正のハナシ

次は、旅館業法の改正についてです。

質問には「3部屋では部屋数が足りないから、法改正まで待ってください」と保健所に言われました、とあります。

まずは、そんな法改正はあるのでしょうかという点。

現在、旅館業法に関する法改正の動きは2つあります。

1つは、今国会に提出された「旅館業法の一部を改正する法律案」。これには、残念ながら部屋数についての改正は盛り込まれていません。

あるのは、

  1. 無許可営業者に対する都道府県知事等による報告徴収及び立入検査等の権限規定の措置
  2. 無許可営業者等に対する罰金の上限額の改正、その他旅館業法に違反した者に対する罰金の上限額の改正
  3. 旅館・ホテルという営業種別の一本化

という3点をメインとしたもの。

ようは、無許可営業者に対する罰則や無許可営業者への対処方法の改正です。旅館業とホテル業は一本化して「旅館・ホテル営業」という新しい種別を作るということです。

唯一、注目すべきなのはこの旅館業とホテル業の一本化です。

一本化とは今まで旅館、ホテルと分けていた営業種別を「旅館・ホテル営業」という一つの種別にして、それぞれの許可要件も統一するということです。

後で説明しますが、この改正の結果として旅館業法施行令において部屋数が撤廃されるわけであります。

そして、旅館業法施行令改正の結果、新しい種別である「旅館・ホテル営業」でも1室からOKとなるはずです。

2つ目の動きは、旅館業法施行令(政令)の改正です。

旅館業法施行令は政令ですので内閣が作るものですね。法律とは別物です。

この改正の概要は以下です。

  1. 客室の最低数の撤廃
  2. 寝具の種類の撤廃
  3. 客室の境界の種類の撤廃
  4. 採光設備についての要件の見直し
  5. 照明設備についての要件の見直し
  6. 便所数についての見直し
  7. 客室の最低床面積についての見直し
  8. 入浴設備についての要件の見直し
  9. 玄関帳場の長さの規定の撤廃、対面でのコミュニケーションに代替する方策(ICTの活用等)についての検討

けっこうありますが、大切なのは1と6と9です。

まずは、客室の最低数の撤廃

これは、今回の質問とも関係します。上でも触れたとおり、これまでは旅館は5室、ホテルは10室と宿泊施設には客室数による縛りがありました。ここで重要なのは、旅館業法施行令の改正により10室が5室でもいいよということではなくて、5室さえもいらなくなるという点です。

政府の資料でははっきりとは明言していませんが、おそらく1室から「旅館・ホテル営業」はOKになるはずです。そうでなければ改正する意味がありません。

つぎは、便所数についてです。正確には便器の数ですね。

これまで、便器の数は宿泊定員に比例して増やす必要がありました。

宿泊定員1~5人までは2つ、6人~10人までは3つといった感じです。

それが、施行令の改正で人数に比例するような定量的な規定はやめて、定性的に判断しようということになっています。ようは、ケースバイケースでやろうや、という感じでしょうか。

最後は玄関帳場についての改正。フロントについてです。

これは、かなりの破壊力をもっていると思います。ICTを使った対面でのコミュニケーション代替策ということですから、無人フロントとまではいかなくても上手くやれば人件費を大幅に削れますね。

この分野のビジネスは施行令が改正されて自治体レベルでもICT運用が認められれば確実に爆発するでしょう。何と言っても事業主が一番頭を悩ませているのが人件費問題ですからね。

以上が旅館業法施行令で注目すべき点です。

で、話しが随分ずれましたがw本題の「3部屋では部屋数が足りないから、法改正まで待ってください」と保健所に言われましたという点です。

これは正しいです。

おそらく旅館業法が改正されれば、旅館業法施行令も必然的に改正されるはずです。施行令ではホテル営業と旅館営業を分けて規定しているので、旅館業法で「旅館・ホテル営業」と許可種別が一本化されたら施行令も追随しないと使いものになりませんからね。

したがって、今は3部屋だと簡易宿所でしか許可がとれませんが、法改正を待てば1室からでも旅館業(旅館・ホテル営業)で許可取得ができるということになります。

ただ、この旅館業法の改正案、通常国会に提出はされましたが成立はしておりません。そして、通常国会の会期は終わってしまいましたw

なので、来年以降か臨時会でどうにかするか、ちょっと現状では何と言えません。

長くなりましたので、質問の続きの「申請制の民泊、旅館業を見越して建てる時の注意点はなんでしょうか?」は次回にします。

では。

この記事を書いたのは民泊実務集団TEAM NanatsuBaです

簡易宿所・旅館業・特区民泊許可取得の為の施設設計・デザイン・施工・各種許可申請を行政書士・建築士をはじめとした専門家チームで行います。行政書士・建築士・不動産会社・工事施工会社等、宿泊業のプロフェッショナルが物件紹介から施工までワンストップでサポートします。詳細はこちらから。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。