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文京区の案件ですが、あとは書類を作成し、申請するだけという段階までいきましたが、結局頓挫した案件があります。なかなか、おもしろい案件でした。

調査料もいただいておりませんので、結局完全無報酬で動いたことになります。

ここでノウハウを公開するぐらいのことは許されるでしょう。

物件概要

RC4階建て、延べ床面積143㎡、各階35㎡程度。既存用途は店舗です。1階には飲食店が入っています。

今回は2階と3階で旅館営業なり、簡易宿所営業なりの許可をとりたいとのことでした。建物の階段は外階段が唯一の階段です。なので、階段を昇ったら各階すぐに扉があり、その先は共用部ではなく各階の部屋部分になります。

現状は、民泊新法の届け出がすでに出されております。家主不在型で新法対応済みです。ただ、やはり180日制限を解除したいとのことで今回、旅館業法民泊を目指しました。

2階の部屋にはすでに客室としての区画がされていて、トイレが1つ、シャワーが1つ、洗面所が1つという感じ。

3階は、客室としての区画はなし、トイレと洗面所が1箇所づつ。どうすれば、最もコストがかからず許可がとれるか。

客室の判断

まずは、2階から。

一番のポイントは2階の部屋を「どうみるか」。

「どうみるか」というのは、2階の部屋全体を1つの客室(オレンジの線で囲まれた部分)として扱うか、2階の中の区画された部屋を客室(A~C緑部分)として扱うか、という事です。

今回発生する可能性のある工事でもっとも、面倒でお金がかかる工事はトイレの増設と水回りの増設です。

この工事が発生するのは、2階の中の区画された部屋(緑部分)を1客室として扱う場合のみです。

緑部分の客室以外のスペースは共用スペースとなりますので、トイレ・洗面所の数は収容人数に比例して多くなります。仮にA~Cの3客室にそれぞれ2人づづ収容した場合でも全体で6人収容となり、トイレは3個、洗面所は2つ必要になります。既存は1つづつしかありませんので、トイレ2個増設、洗面所1個増設が必須となります。

この工事を行う場合、おそらくA部屋部分はつぶれ、そこがトイレと洗面所になります。ただ、そうすると収容定員はB部屋とC部屋での4人のみとなりますので。そうすると、トイレは2個、洗面所は1個でOKですので、トイレ1個と洗面所1個の増設は無駄だったという、不思議な結論になってしまいます。

これを、避けたかったので客室は2階の部屋全体を1つの客室(オレンジの線で囲まれた部分)として扱うことにしました

共用部のトイレ・洗面所の個数は規制がありますが、客室内のトイレの個数や洗面所の規制はありませんので、既存のままでOKです。

これで、トイレ・洗面増設工事は不要になりました。ただ、この方法だと2階客室内に共用部が全くありません。

ガチャっと扉を開けた瞬間そこは客室ですので、許可に必要なフロントを2階に作ることはできません。2階の中の区画された部屋を1客室として扱う場合(A~C緑部分)であれば、客室部分以外は共用部ですのでフロント右下部分にでも用意できます。

フロントをどうするか

では、フロントはどこにもってくるのが良いでしょう。

3階にフロントを持ってきても良いですが、そうすると3階でも2階と同じ問題が発生し、客室がほとんど確保できなくなります。

そこで、登場するのが、2018年6月15日旅館業法施行令改正です。6/15改正では、フロントは建物内になくてもOKとなっています。近隣にあれば問題なしです。

6/15改正の詳しい解説はこちら

したがって、フロント機能を建物と切り離し、既存建物には客室が2つだけというスキームでいくのが、より省エネな方法だと判断しました。

もっとも、この方法でも注意事項が2点ほどあります。

1つは、2階、3階客室とも、それぞれ1つのグループしか宿泊させられないこと。2階、3階各部屋とも1つの階で1つの客室として扱いますので、当然、各階1組のグループしか泊められません。簡易宿所のようなベット貸しはできません。

これは、運営方法によってはかなり痛い部分だと思います。バックパッカーを安くたくさん泊めたい場合には、このスキームはお勧めできません。

もう1つは、フロント業務を行えるような事務所を別途用意する必要があります。一般的には、近くの物件を事務所として賃貸するのでしょうが、固定費がそれだけ発生します。また、このフロント業務を行う事務所は、施設から徒歩10分以内であって、居住用の建物以外の建物でなければなりません。ここも、しっかりと保健所の最終検査の項目になりますので注意が必要です。

したがって、最も省エネで旅館営業許可が取得できる方法は、フロントは別の場所に切り離し、各階同一グループのみの宿泊で運営するという形となります。

よって、工事は不要。フロント用賃貸物件の手配のみが課題となりました。

こんな感じでいよいよといった段階で、事業主さんから待ったがかかりました。おそらく賃貸物件の手配や、同一グループのみ宿泊可という点がネックとなってしまったのかと思います。

その他、消防設備の点や階段の共有についても、論点はありましたが、そこはまた次の機会に触れたいと思います。

 

では。

民泊実務集団TEAM NanatsuBaとは

簡易宿所・旅館業・特区民泊許可取得の為の施設設計・デザイン・施工・各種許可申請を行政書士・建築士をはじめとした専門家チームで行います。行政書士・建築士・不動産会社・工事施工会社等、宿泊業のプロフェッショナルが物件紹介から施工までワンストップでサポートします。詳細はこちらから。

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。