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住宅宿泊事業法の施行まであと1か月となりましたが、いまいち解釈などがはっきりしない部分が多々あります。そこで、弊所では住宅宿泊事業法に対する最新情報と解釈を明確にするため、東京の主要自治体にヒアリングを行いました。

自治体側も混乱していますので、はっきりした解釈・基準はやはり出てきまんが、わかっている範囲で解説します。

今日は、対象物件のお話です。

対象物件

住宅宿泊事業法では①物件の設備というハード面と②物件の使用方法というソフト面の両面から、その対象となる物件を定めています。

旅館業法なんかですと物件のハード面が一番難易度が高く、なかなかクリアできる物件がなかったりしますが、住宅宿泊事業法に関してはハード面のハードルは低いです。①台所②浴室③便所④洗面設備の4点セットが揃っていればハード面は一応クリアです。

しかも、便所は洋式・和式どちらでもOK,浴室はシャワーでもOKという大盤振る舞いです。

その代わり、住宅宿泊事業法では物件のソフト面、つまり使用方法についての要件はちょっと難ありです。

ソフト面の要件

ソフト面の要件は基本的には物件の使用方法に関するものです。住宅宿泊事業法ではそれを3つにカテゴライズしています。

こんな使用方法の物件であれば民泊用の物件として対象となりますよ、という感じ。大前提として、住宅宿泊事業法の基本思想は民泊専用の物件は対象外ということ。ここ大事ですね。あくまで、何かメインとした物件の使い方があって、サブ的に民泊を行う場合だけ認めますという感じです。

これに基づいた3類型が以下です。

要件をみてみましょう。

1.現に人の生活の本拠として使用されている物件

これは問題ないですね。自分が住んでいる物件のことです。家主同居型の場合はこの要件に該当します。注意点としては民泊を行っている間、そこで生活を継続していなければならないということ。

住民票がその物件にあることがマストなのかという点は自治体によって回答が異なる部分です。なかには住民票がその住所にない場合は、公共料金の領収書等で代替可能な自治体もあります。確認が必要な部分ですね。

2.入居者の募集が行われている物件

今現在、まさに入居者の募集が行われている物件のこと。

賃貸でも売買(売買の場合は買主を探している最中)でもいいので、入居者の募集が行われている物件のことです。そして、この入居者の募集は当然、民泊を行っている間も継続する必要があります。

申請時に入居者募集中のエビデンスを添付するので、それで確認します。入居者がつかなくて困っている間に民泊をやります、というのが当局が想定する基本形です。あくまで民泊専用の物件ではなく、賃貸募集している物件で補助的に民泊をしていますという事実が必要になります。

うーん。まあ、この要件はかなり微妙です。穴だらけの要件です。ここでどうこうは言いませんが、あんな事やこんな事も色々と考えつきそうですね。

今後、間違いなく申請数が一番多くなるカテゴリーでしょうね。

ここで、論点が1つ出てきます。

あとで触れますが、住宅宿泊事業法では新築物件は基本的には認められていません。民泊用新築マンション・戸建てはNGなわけです。

では、賃貸経営をしたいがために新築一棟マンションを建てた場合、借り手がつくまで「入居者の募集が行われている物件」として民泊を行うことはできるでしょうか。新築マンションなわけですからNGとも考えられますし、別に民泊専用として建てたわけでもないので問題ないのではないかとも思えます。

問題の所在は、これまで入居者がいたことが必要なのか否かという点です。これまでは入居者がいたが、その人が出ていって今まさに入居者を募集しているという状態が必要なのか。それとも、新築マンションで入居者が見つかるまでの間、民泊を行ってもよいのか。

どうなんでしょう。

ここの回答は自治体によっても違いますし、回答もかなりふわっとしています。OKの自治体もあれば、これまで入居者がいた事実がない新築物件の場合は「入居者の募集が行われている物件」には当たらないという自治体もあります。

なので、ここではっきりとどうと言うことは避けておこうと思います。どうしても気になる方はお問合せください。

3.随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋

この要件が一番問題ありです。文字だけで理解しようとするのはほとんど不可能ではないでしょうか。なんの事を言っているのかさっぱりわかりません。

イメージとしてはセカンドハウス、別荘、別宅という感じらしいです。メインでは使っていないが、年に数回は使うことがある。そんな物件のことを「随時その所有者~」という要件で規定しています。わかりにくいですね。

ガイドラインや自治体の手引きには「年に1回以上は使用している」物件がこのカテゴリーの物件に該当するとあります。

ただ、年に1回の使用というのがそこに泊まることなのか、それとも窓を開けて空気を入れ替えて、物件の管理をすることなのかははっきりしません。管理だけなら宿泊者が出て行った後の清掃でも十分に管理にあたると思いますがどうなのでしょう。

どこの自治体とはいいませんが、管理だけでも「使用している」と認める自治体もあります。東京のほとんどの自治体は年に1回以上の宿泊を要求しているようです。

国のコールセンターも全くあてにならないので現場は混乱気味です。

そして、最大の論点は新築マンションの取り扱いでしょう。住宅宿泊事業法では基本的に民泊用新築マンションは認められていませんが、それならば新築マンションはどの時点から新築マンションでなくなるのかという論点が出てきます。1日でも使用履歴があれば問題ないのか、数か月間の使用履歴が必要なのか。論点は次々に出てきます

この点については、自治体ごとにかなり扱いが異なりますし、自治体側も手探り状態です。国のコールセンターからも満足な回答を得られませんでした。

まだ、事例の蓄積がありませんからしょうがないでしょう。ただ、ガイドラインにも書いてあるように「居住といえる使用履歴が一切ない」わけではない状態であれば、基本は問題なさそうです。

早急に事例の蓄積や解釈を固める事が必須でしょう。

まとめ

と、まあ回答としても全体的には自治体判断という事になってしまいますが、現時点ではここら辺が限界かと。今後申請数が増えて事例の共有が各自治体なんかで始められればある程度の基準ができてくるかと思います。

地上6階、地下1階建ての事務所用途ビルのワンフロアのみを簡易宿所に用途変更し、許可申請を行いました。

許可種別 簡易宿所許可
名称 With B hostel
場所 東京都中央区
規模 地下1階、地上6階建
対象面積 155.25㎡
用途 事務所⇒簡易宿所
定員 ドミトリー・34名

廃屋状態となっていた旅館を、HOSTELとして復活。新たに旅館業許可を取得しました。

許可種別 旅館営業許可
名称 Book Tea Bed IZU-OSHIMA
場所 東京都大島町
規模 2階建
対象面積 282.65㎡
構造 RC造
用途 旅館営業
定員 客室数9
竣工 2018年5月

地上6階、地下1階建ての事務所用途ビルのワンフロアのみを簡易宿所に用途変更し、許可申請を行いました。

許可種別 簡易宿所許可
場所 東京都中央区日本橋
規模 地下1階、地上6階建
対象面積 155.25㎡
用途 事務所⇒簡易宿所
定員 ドミトリー1部屋、34名(17ベット)
 

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冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。