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ウィークリーマンションが掲載されているサイトを見ていますと、相当な割合で旅館業の許可を取得していない物件掲載されています。

契約形態は定期借家契約。宿泊業としての契約ではありません。

これってどうなのでしょう?法的には問題ないのでしょうか。

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今回はこんな疑問にお答えしようと思います。

1か月以内の利用は、宿泊か、賃貸か?

1か月以内の短期間でウィークリーマンションを利用させる場合、その実態は果たして物件を貸しているのか賃貸なのか)、物件に泊めているのかという極めて微妙な問題が発生します。

物件を貸しているとなった場合、適用される法律は借地借家法ですが、物件に泊めているとなった場合は旅館業法が適用されます。

では、その判断はどういう風にするのでしょう。

大切な指針が厚労省(旧厚生省)から出ていますが、その前にまずはウィークリーマンションとは何かをはっきりさせておきましょう。

ウィークリーマンションとは

ウィークリーマンションは、短期賃貸マンションともいいます。

一般的には、1週間から1か月以内の期間、マンションを借りることをいいます。家具や家電などは事前に揃っているので、手ぶらで入居することができます。

この1週間からの利用という部分が問題となる部分でして、実態は旅館営業と変わらないのではないかという部分が論点となります。

厚労省の通知を確認

では、厚労省の通知をみてみましょう。

ちょっと引用してみます。長いですが、お付き合いください。

近年、社会需要の多様化に伴つて、新たな営業形態を持つ施設が出現しており、本件もいわゆるウィークリーマンションと称する短期宿泊賃貸マンションとでもいうべき施設で、旅館業と貸室業の中間的な営業形態をもつものと考えられます。
旅館業法の運用にあたつては、昭和61年3月31日付衛指第44号厚生省生活衛生局指導課長通知が示されているところですが、本件の旅館業法上の取り扱いについて疑義が生じたため、至急ご回答願います。(施設の状況及び管理等)
1 施設は既存のアパート、マンションの空室又は専用に建築した室を賃貸する。
2 利用日数の単位は、1週以上とし最長制限の定めはないが、実態としては1~2週間の短期利用者が大半である。
3 利用者は手付金を支払つて予約し、入居時までに物品保証金及び利用料等を支払い賃貸契約を締結した上、入居する。
4 客室には日常生活に必要な設備(調理設備、冷蔵庫、テレビ、浴室、寝具類等)が完備している。
5 室内への電話器、家具等の持ち込みは禁止している。
6 利用期間中における室内の清掃等の維持管理は、全て利用者が行う
7 シーツ、枕カバーの取り換え、浴衣の提供等リネンサービスは行わない
なお、利用者からの依頼があれば請け負い会社を斡旋する。
8 食事は提供しない。
9 光熱水費は各個メーターで契約解除時に別途清算する。
10 本施設の利用者は、主として会社の短期出張者、研修生、受験生等である。
(質問点)
昭和六十一年三月三十一日付、厚生省指導課長通知によれば、旅館業法にいう「人を宿泊させる営業」とは、
1 施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあるものと社会通念上認められること
2 施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業しているものであること
の二点を条件として有するものであるとされている。本施設を、この二条件に照らして判断すると、
1 契約上、利用期間中の室内の清掃等の維持管理は利用者が行うこととされているが、一~二週間程度という一月に満たない短期間のうちに、会社の出張、研修、受験等の特定の目的で不特定多数の利用者が反復して利用するものであること等、施設の管理・経営形態を総体的にみると、利用者交替時の室内の清掃・寝具類の管理等、施設の衛生管理の基本的な部分はなお営業者の責任において確保されていると見るべきものであることから、本施設の衛生上の維持管理責任は、社会通念上、営業者にあるとみられる。
2 また、生活の本拠の有無についても、利用の期間、目的等からみて、本施設には利用者の生活の本拠はないとみられる
前記より、本施設を、旅館業法の適用対象施設として取り扱うのが相当と考えるが如何「昭和62年12月25日厚生省生活衛生局指導指導課長宛 東京都衛生局環境衛生部長照会」

人を宿泊させる営業にあたるのか

大事なポイントは2つあります。

①維持管理責任が営業者にあるかどうか

旅館営業に該当するかは、維持管理責任が営業者にあるかどうかで判断します。ウィークリーマンションでは、一般的に利用期間中における室内の清掃等の維持管理は、全て利用者が行い、事業者側はシーツ、枕カバーの取り換え、浴衣の提供等リネンサービスは行いません

したがって、一見するとウィークリーマンションの維持管理責任は利用者にありそうです。

厚労省の見解

しかし、厚労省はこれを、「短期間のうちに」「不特定多数の利用者が反復して利用」するものであること等、「施設の管理・経営形態を総体的」にみると維持管理責任はいまだ営業者にあると判断しています。

つまり、ウィークリーマンションは利用者がいる間は、清掃などは利用者が行うけれども、最終的にはウィークリーマンションの維持管理する責任は営業者にあるでしょう、ということです。

したがって、最初のポイントとしての維持管理責任が営業者にあるかどうかは、営業者にあるということになります。

②ウィークリーマンションに利用者の生活の本拠があるかどうか

利用者の生活の本拠がウィークリーマンションにあるとするならば、それはもはや人を宿泊させるものではなく、人に貸している状態ということです。

生活の本拠がウィークリーマンションにあると言えれば、旅館業法は適用されません。

厚労省の見解

この点、通知は「利用の期間、目的等からみて、本施設には利用者の生活の本拠はないとみられる」としています。1か月以内の短期間であれば、生活の本拠はウィークリーマンションにはないという判断です。

おそらく、家具や家電その他生活必需品が事前に揃っているということも、生活の本拠はないという理由を補強する事実になっているかと思います。

一概に期間の長短のみでは、判断できないかと思いますが、厚労省の通知はそのことには触れていません。

ウィークリーマンションは旅館業営業にあたる

以上より、ウィークリーマンションは2つのポイントともにクリアできず、そこでの営業は「人を宿泊させる営業」に該当することになります。

よって、定期借家契約を結んでいるからといってそれを口実にウィークリーマンションは、旅館営業にあたらないと言い張ることはできません。

実質的な判断が大切ということです。

マンスリーマンションではどうか

では、マンスリーマンションではどうでしょうか。

先ほどの通知にある「1~2週間程度という1月に満たない短期間のうちに」という記載がヒントになるかと思います。

これを、反対解釈をすれば、1月以上であれば問題ないのではないかと考えられます。

実務での基準

旅館業実務でも、1か月以上の期間であればそれは賃貸借と考えてよいのではないかと扱っている自治体が多いです。

よって一定の基準としては、1月以上であれば旅館業法の範囲ではなく、賃貸の範囲に入ってくるという事が言えるかと思います。

以上より、マンスリーマンションの場合は旅館業法上の許可は不要となります。

民泊とウィークリーマンションの関係

これまでは、旅館業とウィークリーマンションの関係を見てきましたが、次は民泊との関係です。

民泊と言っても、その実質は特区民泊民泊新法に分かれます。

特区民泊の場合

特区民泊であれば、2泊3日より宿泊者を泊めることが可能です。

ウィークリーマンションが定めている一か月に満たない滞在も、もちろん可能です。

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ウィークリーマンションは旅館業法上の許可が必要ですが、特区民泊の認定を取得すれば、旅館業法上の許可を得ずに2泊3日より人を宿泊させても構いませんので、もちろんウィークリーマンションとしての営業も可能です。

民泊新法の場合

また、民泊新法(住宅宿泊事業法)でも届出済みであれば、人を宿泊させる営業をすることが1泊より可能ですので、年間営業日数の範囲内であればウィークリーマンションとしての営業も可能です。

まとめ

今回は、ウィークリーマンションと旅館業との関係を中心に解説しました。

そもそも、無許可でウィークリーマンションをはじめる事は旅館業法に反するということ、マンスリーマンションでれば問題ないとのこと。

1か月という期間が実務上での一定の目安となっていることが大切なポイントとなります。

ウィークリーマンション、マンスリーマンションをはじめる際の参考にしていただければ幸いです。

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冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。