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このブログで10日前に、大阪市での民泊条例の動きに関してこんな記事(大阪市での民泊条例の成立は2月議会に持ち越しとなりそうです。)を書きました。

大阪市で検討中の民泊条例は1月15日閉会の議会では決着せず、2月議会に持越しになりそうだ、というもの。

で、その1週間後にはこんなニュースです。

大阪市「民泊」成立へ 施行日6カ月以上先送り条件に一転可決

「爆買い」に象徴される外国人旅行者の増加で不足する宿泊施設を確保するため、大阪市が、マンションなどの空き室を活用できるよう市議会に提案している「民泊」条例案が、15日の本会議で可決される見通しとなった。府議会でも昨年10月に同様の条例案が全国で初めて成立した。 引用:産経WESTより

最近は民泊関連の情報の動きが非常に早いです。情報を点でとらえていたらほんとにわけがわからなくなります。

情報は常に一元化して線として捉えないとですね。

大阪市、民泊条例制定

2016年1月15日の大阪市議会で正式に民泊条例が成立しました。

これによって今後、大阪市でも特区民泊が可能になります。大田区、大阪府、大阪市と3自治体で特区民泊の為の基礎が整いました。

参考:大阪府での民泊実施可能地域

ただ、注意していただきたいのは特区民泊ではどんなに頑張っても6泊7日が最低宿泊日数であるという点です。そこの足かせは依然として外れていません。

何だか最近は周りばかりが民泊、民泊とやたら盛り上がってますが、その内実は結構シビアです。

大阪市での民泊条例制定までの流れ

今回制定された大阪市での民泊条例は、もともと2015年9月25日に一度大阪市議会に提出された条例を一部修正したものです。

もとの条例案は、僕が去年に行ったセミナーでも参考資料として解説しました。

以下では、修正案も踏まえて大阪市の民泊条例を見てみましょう。

大阪市民泊条例解説

※太字部分が修正された箇所です。

第1条(趣旨)

 この条例は、国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号。以下「法」という。)第13条第 1 項に規定する国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(以下、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」という。)に関し必要な事項を定めるものとする。

ここでは、(以下、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」という。)の部分が追加されました。民泊条例では「民泊」のことをどう呼んでいくのかという部分ですので、実際の民泊にはあまり関係ないですね。

第2条(国家戦略特別区域法施行令第12条第 2 号の条例で定める期間)

 国家戦略特別区域法施行令(平成26年政令第99号。以下「令」という。)第 12条第 2 号の条例で定める期間は、7日とする。

最低宿泊日数の規定です。

特区民泊には最低宿泊日数があります。ゲストが最低限宿泊しなければならない日数がそれです。

大阪市も大田区・大阪府同様、6泊7日を最低宿泊日数としてきました。

ここが、特区民泊の唯一にして最大の足かせです。

第3条(立入調査等)

市長は、法第13条第 9 項の規定の施行に必要な限度において、その職員に、 同条第 4 項に規定する認定事業者(以下「認定事業者」という。)の事務所又は令第12条第 1 号に規定する施設(以下「施設」という。)に立ち入り、当該認定事業者に係る認定事業(法第13条第 4 項に規定する認定事業をいう。以下同じ。)の実施状況について調査させ、又は関係人に質問させることができる。

2  前項の規定により立入調査又は質問を行う職員は、現に滞在の用に供している施設の居室に立ち入るときは、あらかじめ、当該施設に係る認定事業者及び当該居室 に滞在している者の承諾を得なければならない。

3  第 1 項の規定により立入調査又は質問を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。

1項は、立入調査権についてのものです。大田区の民泊条例でも同じ規定があります。

何か怪しいことをしていたら行政が立入調査できますというものですね。

特筆すべきは、第2項です。

2項は行政の立入調査の際の事前承諾について規定しています。

行政が立入調査を行う場合に、その民泊施設に現に宿泊者がいる場合には、その宿泊者(ゲスト)と運営者(ホスト)の事前の承諾を得なくてはなりません。

規定の仕方は「当該施設に係る認定事業者又は当該居室に滞在している者の」ではなく、「当該施設に係る認定事業者及び当該居室に滞在している者の」となっていますから、両者のうち一方の承諾だけでは立入調査はできないことになります。

現に宿泊者がいる民泊施設に立入る場合は、宿泊者(ゲスト)と運営者(ホスト)両方の承諾がなければならないという事ですね。

この事前承諾の規定は大田区での民泊条例では存在しない規定です。

もっとも、だからと言って大田区での立入調査は、承諾不要なのかというとそれはまた別の話しでしょう。詳細はガイドライン等に委ねられます。

逆に、立入調査権限について大田区の民泊条例にあって、大阪市の民泊条例にないものは「第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 」という文言です。

立入調査権限の恣意的な行使を懸念して、大田区はこの規定を民泊条例に盛り込んだのでしょうが、そもそも当然のことなので大阪市は不要という事でカットしたのでしょう。

第4条(認定事業者の責務)

認定事業者は、事前に、施設の近隣住民に対し、当該施設が国家戦略特別区域外国員滞在施設経営事業に使用されるものであることについて、適切に説明しなければならない。

2 認定事業者は、施設の滞在者に対し、使用開始時に、次に掲げる施設使用の際の注意事項を説明しなければならない。

(1) 施設に備え付けられた設備の使用方法

(2) 廃棄物の処理方法

(3) 騒音等により周囲に迷惑をかけないこと

(4) 火災等の緊急事態が発生した場合の通報先及び初期対応の方法(防火、防災設備の使用方法を含む。)

3 認定事業者は、近隣住民から苦情等の窓口を設置し、近隣住民に周知するとともに、近隣住民からの苦情等に対しては適切に対応しなければならない。

4条のこの規定は、修正前の条例案にはありませんでした。かわりに、手数料の規定が4条にはありました。

今回の修正で完全に新規で入ってきた規定です。手数料の規定を後半にずらしてまで、入れてきた規定はやはり近隣住民に対する配慮から要請される規定でした。

ただ、その実質は以前にも書いている民泊の際の身元確認、近隣住民への影響に対する一定の方向性と同じものです。

民泊運営時のガイドラインとして、内閣府から各自治体へ周知されたものと同じ内容ですので、これをわざわざ民泊条例の内容として規定したという事は、近隣住民に対するアピールという面が強いのでしょう。

色々と大変です。

大田区の民泊条例では、周知義務を定めているだけですが、大阪市では、一歩進んで施設使用の注意事項まで民泊条例の中に盛り込んできました。

第5条(手数料)

 法第13条第 1 項に規定する特定認定(以下「特定認定」という。)に係る事 務で次の各号に掲げるものについては、当該各号に定める額の手数料をその申請を する者から徴収する。

(1)特定認定の申請に対する審査  1 件につき21,200円

(2)法第13条第 5 項の変更の認定の申請に対する審査  1 件につき10,500円(認定 1 事業に係る施設について現地調査を行う必要がない場合にあっては、2,500円)

まあ、手数料についてはこんな感じでしょう。大阪府と同じですね。

第6条~第8条

手数料の免除ができる場合とか、還付はしないとかそんか事が書いてあるだけなので割愛します。

施行日

大阪市の民泊条例の施行日は市長が定めることになっています。それをうけて附帯決議では平成28年10月以降とされています。

まだ、10か月近くありますから、大阪府・大田区での民泊条例の実施内容を大いに反映するつもりでしょう。

意外と、東京の杉並区・港区あたりのほうが早い実施になるかもしれないですね。

 

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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。