民泊用でも普通の宿泊業でも旅館や簡易宿所の許可を考えた場合、避けて通れないのが建築基準法上の用途変更の確認申請なるものです。
これまで何度も書いていますが、これは100㎡以下だから用途変更しなくても良いというわけではなくて、用途変更の確認「申請」が不要なだけで、用途は実質的にしっかりと特殊建築物である旅館・ホテルになってなければならないというのがこの用途変更の最高にめんどくさいところ。
ただ、ここらへんは保健所のほうも極めてあいまいな処理をしている部分でして、例えば今やっております千代田区の保健所なんかは、100㎡以下の物件であれば旅館・簡易宿所の申請には完了検査時の検査済証の添付は不要ですし、建築のほうでの手続きも基本的には不要です。
不要なのですが、保健所の扱いとしては一応建築審査課や建築指導課に相談に行ってくれ、という微妙な対応をお願いされるわけです。
何かあった時に一応、建築面は専門部署に相談に行ったという既成事実が必要ということでしょう。建築のほうにも相談に行って、なにも言われていないから保健所としては許可しましたよ、という事実が行政的には大事なわけです。
この相談は民間の確認検査機関への相談ではNGです(千代田区の場合)。
役所の建築に行ってくれと、そして何かこの物件は簡易宿所として法的にOKですよという回答をもらってきてくれというのです。
100㎡以下での確認申請不要という法規のグレーゾーンが後々の保健所の手続きに極めてあいまいな処理を与えているというのが実際です。
うちのお客様でも100㎡以下はマジックワードのように思っていらっしゃる方がいますが決して楽ではないのです。
冬木 洋二朗
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