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タイトルのようなご質問を多くいただきます。現に、そんな運用をしている施設が東京でもいくつかあるみたいです。

モーテル型に近い

管理棟が一つあり、そこで台帳記載や鍵の引き渡しを行い、そこから別棟の宿泊用の建物にゲストを案内するというスタイル。こうすれば、各宿泊棟には玄関帳場を設けなくてもいいのではないか?とも考えられます。

イメージとしてはモーテル型(自動車旅行をする人の為の宿泊所)の宿泊施設に近いような感じです。よく映画なんかでありますね。※モーテルタイプの許可は「自動車旅行ホテル営業」というものになります。それについては次の機会に書きます。

この場合の問題の所在は2つあります。

許可はどの範囲で必要か

まずは、許可対象の問題です。

物理的に離れた管理棟や宿泊棟でもそれらを概念的に捉え、一つの宿泊施設と考えることができれば許可は全体で一つでよいはずです。逆に、建物が物理的に離れていることを重視して判断するのなら、それらは一つの宿泊施設とはいえず、許可は各宿泊施設ごと(管理棟ごと、宿泊棟ごと)に必要となります。

この点について、平成19年に京都市が厚生労働省に回答を照会しています。

厚労省の回答を引用してみましょう。

各々の営業施設が関連することなく個別に立地している場合については、そもそも構造設備に基づく入浴設備の規模、洗面設備の規模、便所の数等は、個々の営業施設ごとにその規模及び数が適当であるか否かを判断すべきことから、貴見のとおり町屋ごとに許可が必要となるものと解する。

この回答の「営業施設が関連することなく個別に立地している場合」というのが具体的にどうゆう場合を指しているのかは不明ですが、少なくとも管理棟と宿泊棟との間に物理的な距離があって、宿泊施設が点在しているような場合には、その施設ごとに旅館業法の許可が必要となります。

厚労省は旅館業の許可対象を判断するときに建物と建物の物理的な距離を重視しています。

よって、この場合許可対象として管理棟ごと、宿泊棟ごとに別個の許可が必要となります。なので、それぞれの施設で許可要件を満たす必要があります。

玄関帳場

次は、玄関帳場の問題。いわゆるフロントです。

この場合も建物同士が物理的に離れている場合には、管理棟のみに玄関帳場を設ければ良いのか、それとも各宿泊施設ごとに玄関帳場を設けなければならないのかが問題となります。

さっきの回答からだいたいの答えは予想できますが、一応見てみましょう。

1箇所の玄関帳場を点在する複数の営業施設の玄関帳場として使用する場合には、結果的に、玄関帳場が営業施設の入口、又は宿泊者が施設を利用しようとするときに必ず通過する通路に面して設置されていない施設ができることから、玄関帳場を設ける趣旨を踏まえると、そのような玄関帳場の使用は認められない。

やっぱりそうですね。それぞれの施設ごと(管理棟ごと、宿泊施設ごと)に玄関帳簿を設けてくださいということです。

宿泊棟とは別の建物に玄関帳場を設け、それでOKとしてしまうと玄関帳場を設けるとした趣旨に反するので、施設ごとにしっかりと玄関帳場は設けて下さいというのが厚労省の回答になります。

したがって、宿泊棟とは別棟を設けてそこで台帳記載・鍵の引き渡しを行うスタイルをやりたいのであれば、各棟ごとに旅館業の許可を取得して、各棟ごとに玄関帳場を設けなければなりません。もっとも、そうなればもはや別棟でやるスタイルにあまり魅力はないと思いますが・・

かなり厳しいですね。

※今回の記事をあくまで京都市が厚労省に行った照会をもとに書いています。裁判所の判例と違いますので、これがどこまで一般性をもつかは不明ですし、各自治体によって扱いは違います。そういった観点で読んでくださいね。実際にそういった運用をされているところもあるかと思いますが、あくまでここでは許可取得のレベルでのお話しです。


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冬木 洋二朗

冬木 洋二朗

代表・行政書士Team NanatsuBa
民泊実務集団TEAM NanatsuBa代表。 行政書士。 適法・合法な民泊運営の為の各種許可申請代行を専門家チームで行っております。これまで、上場企業から個人投資家まで多くの方とご一緒にお仕事をさせていただきました。2014年から、当ブログで情報発信をしています。